※この記事は、インプレス刊の書籍「できるテレワーク入門 在宅勤務の基本が身に付く本」から抜粋しています。

レッスン4グループウェア

テレワークに必要なツールを知ろう

マイクロソフトのアプリと親和性が高い「Microsoft 365」

Windowsなどで知られるマイクロソフトが提供するグループウェアが「Microsoft 365」です。文書作成の「Word」や表計算の「Excel」、プレゼンテーションに欠かせない「PowerPoint」といったOfficeアプリが利用できるほか、オンラインストレージサービスの「OneDrive」、チャットやビデオ会議、アプリケーション共有が利用できる「Microsoft Teams」など、多彩なアプリが提供されています。

HINT 個人でも使えるの?

「Microsoft 365」は一般法人や大企業向けのサービスですが、家庭向けの「Microsoft 365 Personal」も提供されています。Officeアプリが利用できるほか、OneDriveやSkypeなども利用できます。

また、Microsoft Teamsなどのサービスは個人用のビデオサービスとして、無料で利用することができます。

テクニック 場所や端末を選ばないグループウェア

かつてグループウェアというと、オフィス内など、特定の場所でしか利用できなかあたり、動作する環境もパソコンに限られていたことがありました。

しかし、現在はワークスタイルが変化し、モバイル環境が充実してきたこともあり、いつでもどこでもオフィスに居るときと同じように業務をこなせるように、グループウェアも進化してきました。

たとえば、グループウェアで提供されるアプリやサービスは、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンなど、さまざまなデバイス(機器)で利用できるようになっています。

グーグルサービスと連携する「G Suite」

検索サービスをはじめ、さまざまなネットワークサービスを提供するグーグルのグループウェアが「G Suite」です。

スマートフォンでもおなじみの「Gmail」、スケジュールの共有なども可能な「カレンダー」、「ドキュメント」「スプレッドシート」「スライド」のビジネス文書アプリ、さまざまなデータを保存したり、共有したりできる「ドライブ」、ビデオに使える「Google Meet」など、グーグルが提供する数多くのサービスを利用できます。

HINT グループウェアはクラウドが中心

企業などで導入されるグループウェアは、ここ数年、急速にクラウドへの移行が進んでいます。従来は社内にファイル共有サーバーやメールサーバーなどを構築していましたが、運用コストや信頼性を考慮すると、クラウドで提供されるグループウェアの方が有用だと判断されたためです。

ここで説明している「Microsoft 365」と「G Suite」は、いずれもクラウドで提供されるグループウェアとして広く利用されています。

利用者急増のチャットツール「Slack」

パソコンやスマートフォンなどの画面を通して、テキスト(文字)でコミュニケーションをするビジネスチャットツールが「Slack」です。ビジネスシーンではスタッフ同士、あるいは取引先とのコミュニケーションが大切ですが、業務やプロジェクトによって、参加するメンバーが違うことがあります。

Slackではワークスペースとチャンネルというしくみを組み合わせることで、業務やプロジェクトに参加するメンバーが円滑にコミュニケーションをできるようにしています。

ビデオ会議ツールのデファクトスタンダード「Zoom」

テレワークやリモートワークのビデオ会議ツールとして、広く利用されているのが「Zoom」です。パソコンやスマートフォンなどの画面を通じて、相手と対面で打ち合わせができたり、グループで会議などができたりします。

会議に参加するユーザーの間で、各自の画面を共有したり、共有カレンダーでスケジュールを確認したりすることなどができます。

HINT 無料と有料のサービスがある

テレワークに利用できるグループウェアやツールは、無料で利用できるものと有料で利用できるものがあります。個人が限られた条件のもとで利用するときは無料で、企業やグループなどが導入するときは有料サービスを契約する形が一般的です。

たとえば、ここで説明している「Slack」は、小規模のチーム向けの「フリー」というプランは無料で利用できますが、中小規模の企業向けの「スタンダード」や大規模な企業向けの「プラス」はいずれも有料プランとなっています。グループウェアやサービスによって、内容は違いますが、無料プランと有料プランでは利用できる機能やアプリなどに少しずつ違いがあります。

グループウェアの選択

テレワークで利用するグループウェアは、さまざまなものがありますが、1つのツールを知っていれば、十分というわけではありません。取引先によっては違うグループウェアを使っているかもしれませんし、仕事のプロジェクトによっては他のチャットツールを使うケースも考えられます。

さまざまなツールに対応できるように、本書「できるマルチユース入門」では代表的なグループウェアやツールの内容や使い方を解説します。

HINT スマートフォンだけでも ビデオ会議ができる

相手の顔を見ながら、会話ができるビデオ会議は、さまざまなツールが提供されていますが、そのほとんどがスマートフォンだけでも利用できます。つまり、ビデオ会議のたびに、パソコンを用意しなくてもすぐにビデオ会議ができます。

ただし、スマートフォンで一定時間、ビデオ会議をするのであれば、手で持ち続けるのはたいへんなので、スマートフォンを固定する小型の三脚やスタンドを用意した方がいいでしょう。

Point グループウェアやツールを知っておこう

ビジネスでアプリケーションやサービスを利用する場合、普段はそのアプリケーションの使い方や機能などについて知っておけば、業務を進められます。

しかし、テレワークでは他の人といっしょに仕事を進めていくことが多くなります。たとえば、自社では「Microsoft 365」を採用していても取引先が「Zoom」でビデオ会議を求めてくるかもしれませんし、「Slack」のチャットで話を進めることも考えられます。

すべてのグループウェアを導入する必要はありませんが、仕事の内容や取引先に応じて、さまざまなグループウェアやツールが使われることを理解しましょう。