「処理番号」の発行が見合わせの状態に
厚生労働省は2020年6月19日より、新型コロナウイルスの感染症拡大対策のため接触確認アプリ「COCOA」の配信を開始していました。しかし、このアプリに問題点があることが、6月23日に発表されました。
発表された問題点と関連して、陽性者の「処理番号」の発行が見合わせられており、23日時点では接触確認アプリとして機能していないことが明らかになっています。ただし、このアプリの役割は2週間分の接触記録を残して陽性者との接触を確認できることにあるため、2週間以内に修正されれば、現時点で利用していることにも意味があると考えられます。以下に詳しく見ていきましょう。
厚生労働省が発表した問題は、次の2点です。
- 利用の開始日が「今日」の日付で表示される
- 検査陽性者が登録する「処理番号」に関する処理が正常に行われない。そのため、処理番号の発行が見合わせられている
2番目の不具合は、感染者情報把握のために発行された正規の処理番号以外を入力しても「完了しました」と表示されるというもの。混乱を避けるために処理番号の発行が見合わせられており、修正版のアプリの更新が行われ、処理番号の発行を再開するまで、厚生労働省では「しばらくお待ちください」としています。
1番目の不具合。アプリの起動時に表示される「○年○月○日から使用中」に、常に起動した日付が表示されます(このスマートフォンでは6月19日から利用中)。詳細な原因の説明はありませんが、プログラム的には単純な表示ミスだと想像されます。
2番目の不具合、自分が検査で陽性と判定されて際に発行される「処理番号」を入力する場面で、正規の処理番号以外を入力しても「完了しました」と正常に終了したかのようなメッセージが表示されてしまうことがあるとのこと。間違いやイタズラを防止するために処理番号の発行が見合わせられています。
処理番号の発行が見合わせられている状況では、COCOAを利用し続けていても、陽性者との接触の可能性が通知される可能性がないと考えられます。
修正を見越してデータを取り続けることには意味がある
では、修正が行われるまでCOCOAを利用する意味はないのか? というと、そうとも言えません。接触の確認に関しては先述のように機能していない状態ですが、このアプリは過去2週間分の接触した可能性があるユーザーを記録し続けているため、記録を取り続けておくことで、修正された際には長期間のデータに基づいて接触を確認できるようになると考えられます。
修正版への更新がいつ行われるかの見通しは明らかにされていません。ですが、2週間以内に修正が行われると期待して、使い続ける価値はあると考えてもいいでしょう。
配信開始時に「公開日から1カ月間は試行版のため、デザイン・機能などの修正を予定しています。」と告知されていました。不具合の修正もすみやかに行われ、1カ月後にはより正確で使いやすいアプリになると期待しておきましょう。
現在でも、COCOAはApp StoreおおびGoogle Playでダウンロードできます。
iPhone(App Store)
新型コロナウイルス接触確認アプリ
Android(Google Play)
新型コロナウイルス接触確認アプリ (日本厚生労働省公式) - プレビュー版