ユーザーの花粉症レポートを集める研究用アプリ

花粉症の季節が近づいてきています。早い人では2月に入るころからスギ花粉が気になってくるのではないでしょうか。新型コロナウイルスの影響もあって病院が混み合い、診察に時間がかかる可能性があるので、通院の予定がある人は早めに予定を立て、病院に行くようにしたいものです。

花粉症の情報を知り、対策に役立てられるアプリとして、順天堂大学が「アレルサーチ」というiPhone/Androidアプリを配信しています。このアプリは花粉症の研究を目的としたアプリで、ユーザーからレポートを収集し、それをアプリを通じて共有します。

ユーザーはカレンダーと地図から花粉症の情報を確認でき、毎日のレポートに回答することで、自分の花粉症の影響をチェックしながら、研究に協力していることになります。どのようなことができるか、Android版の画面を例に紹介します。

アレルサーチ
iPhone(App Store)
Android(google Play)


初期設定を行う

アプリをインストールしたら、はじめに説明を読み、研究に参加することを同意し、[基本情報]と呼ばれる最初の質問項目に回答します。本アプリは研究用ということもあり、質問項目が多めです。

そのため、パパッと花粉情報を知りたい、という人には向かないでしょう。情報を得つつ花粉症の研究に協力するため、少し手間をかけてもかまわないという人向けです。

1説明事項を読む

最初にアレルサーチを起動すると、アプリの簡単な説明のあとで上の画面が表示されます。[同意に関する説明事項を読む]をタップして説明事項の内容を読み、[同意する]をタップして同意の確認を行います。

2基本情報を入力する

続けて基本情報を入力します。[OK]をタップして入力しましょう。ここで入力を求められる内容は、身長体重やアレルギー症状のほか、生活習慣、花粉症予防で行っていることなど多岐にわたります。 iPhoneの[ヘルスケア]アプリに情報を入力している場合は、その情報を取得することで一部の入力作業を省略できます。

毎日のチェックを行う

初期設定を終えたら、メイン画面から毎日のチェックを行います。チェック内容は、症状についての[花粉症レベルチェック]、生活への影響を調べる[QOL度チェック]、仕事への影響を調べる[労働生産性チェック]の3種類があります。

1メイン画面からメニューを選択する

基本情報の入力を完了するとメイン画面が表示されます(2回目以降の起動時には、直接この画面が表示されます)。毎日のチェックを行うため[花粉症レベルチェック]をタップしましょう。


2花粉症レベルをチェックする



花粉症レベルチェックでは、目の写真をカメラで撮影して、炎症がないかをチェックします。説明どおりにスマホのインカメラで目を撮影しますが、目から数センチ程度まで近づけ、画面が見えない状態で撮影する必要があるので、少々慣れが必要です。その後、鼻水の有無など数件の質問に答えて花粉症レベルのチェックを完了します。

3生活への影響をチェックする

続けて、メイン画面で[QOL度チェック]をタップしましょう。花粉症の生活への影響に関して質問されるので、回答します。


4仕事への影響をチェックする



メイン画面で[労働生産性チェック]をタップすると、花粉症の症状により仕事に影響があったか質問されるので、回答します。

データを見る

画面下のボタンを選択すると、さまざまなデータを見ることができます。特に役立つのが、飛散情報と、ユーザーみんなの花粉の影響度がわかる地図です。

1花粉やPM2.5、黄砂の飛散情報を確認する

1日のチェックへの回答が終わったら、画面下部の杉の木のボタンをタップします。花粉およびPM2.5と黄砂の飛散について、当日から1週間分の予報を確認できます。


2花粉の影響度を地図で確認する



日本地図のボタンをタップすると、回答者の花粉の影響度が地図上に表示され、みんなが花粉の影響をどれくらい受けているか確認できます。記事制作時点ではまだ花粉の飛散が始まっておらず、回答数も少ない状況です。



アレルサーチは、花粉症の自己管理による先制医療を実現することを目指し、データを収集するとしています。花粉情報を得られるアプリとして情報が特別に充実しているとは言いがたいですが、食事、運動、睡眠といった生活習慣がどのように症状に影響するか関心があり、症状軽減のための新しい発見に期待する人には、研究に協力する機会となります。


アプリについての詳細は、公式サイトも確認してください。

アレルサーチの公式サイト:
アレルサーチ | ResearchKitを活用した花粉症研究のためのアプリ