【Teams踏み込み活用術】Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)を使いこなす達人のワザを紹介! この連載では、企業への導入・活用支援を手がける著者による現場の利用実態に根ざした視点から、Teamsの一歩踏み込んだ活用法を解説します。

ワザ 26

チャットは特徴を理解して使う

活用する機能:チャット既読通話

少人数の簡単な会話だけならチャットが手軽

Teamsのチャットでは、1対1または少人数での簡単な会話ができます。チャットでの会話はチャネルと異なり、スレッド形式にはなりません。会話に参加しているユーザーのメッセージが、投稿された順番で表示されます。私たちが普段の生活で利用する、多くのチャットツールと同じような使い勝手であり、なじみやすいと感じる人も多いでしょう。

しかし、この形式はちょっとした会話では使いやすい反面、後から探したときに会話の流れを確認しづらいです。あくまでチャットは、その場限りの連絡手段として利用するのに適しています。

チャットでは、チームのチャネルのメッセージと同様に、テキスト入力や書式の設定、絵文字、メンション、ファイル添付、リアクションを利用できます。ただし、メッセージに件名を付けたり、アナウンスを作成したりすることはできません。チャネルのメッセージと比べると使える機能がやや少ないのが特徴です。

Teamsのチャット機能はチャネルの投稿との使い分けが肝心。特徴を理解して使おう【Teams踏み込み活用術】

チャットでは、メッセージが投稿された順番で表示される。

既読を付けても即座に返信しなくていい

チャットでは、相手がそのメッセージを読んだかを示す「既読マーク」を利用できます。連絡手段としての役割があるチャットでは、相手がそのメッセージを読んでくれたかを把握するのも重要です。

ここで気を付けたいのは、既読マークが付いても相手からすぐに返信があることを期待してはいけませんし、すぐに返信する必要もないことです。メッセージを読めたからといって、返信できる状況だとは限りません。

私生活でもSNS疲れが話題になるように、既読マークがつくのを嫌がり、メッセージを確認しなくなる人もいます。これが業務で起きてしまうと、せっかくのチャットツールがスムーズな業務進行の妨げになってしまいます。

それでも、既読だけ付くのが気になる場合は、まずは「いいね!」などのリアクションを返しておくといいでしょう。

Teamsのチャット機能はチャネルの投稿との使い分けが肝心。特徴を理解して使おう【Teams踏み込み活用術】

自分が投稿したメッセージを相手が読むと、❶[既読]マークが付く。

通話を適度に使う

チャットのビデオ通話と音声通話は、会話に参加しているユーザーとワンクリックで通話を開始できる機能です。

特にTeamsを利用してテレワークをしている場合、通話を上手に活用することが大事です。文字だけのコミュニケーションは、時には上手く相手に用件が伝わらず、時間ばかり使ってしまうことがあります。ここで短時間の通話をしてみると、チャットでは30分かかる話題が5分で終わることも少なくありません。

通話に比べると負担が小さいとはいえ、チャットがダラダラと継続し結論が出るまで時間がかかることは、互いの業務にとっていいことではありません。まずはチャットで会話を始め、5分以上かかるようであれば、途中から通話に切り替えてしまうのも手です。

反対に、時間がかかる用件だと分かっていてすぐにでも通話したい状況でも、チャットから会話を始めましょう。相手の状況や場所によっては、すぐに通話を受けられない場合もあります。最初にチャットで相手の状況を確認してから通話に切り替えるとスムーズです。

Teamsのチャット機能はチャネルの投稿との使い分けが肝心。特徴を理解して使おう【Teams踏み込み活用術】

チャットでやりとりしている相手と❶[ビデオ通話]と❷[音声通話]をすぐに開始できる。

チャットとチームのバランスを意識する

チャットで話された内容は、すべて当事者間で閉じられたものになってしまいます。例えば、業務の担当者にチャットで質問して回答をもらった場合、その質問と回答は相手と自分だけのものになってしまいます。同じ質問をしたい他の人たちが、それぞれチャットで連絡してしまうと、相手にとっては何度も同じ回答をすることになり、まったく効率的ではありません。数カ月後や翌年に同じ質問があれば、さらに同じやりとりを繰り返すことになります。

身の回りや会社全体の業務を考えたとき、より多くの情報が共有されていることは、効率化にもつながります。チームのメンバーに対する質問は、チャットではなくチームで行いましょう。

また、組織をまたいだり会社全体で共有したりしたいものは、Yammerを利用するのもいいでしょう。ITヘルプデスクや総務、人事などに関する質問などをYammerで行い、社内で共有している企業もあります。よくある質問として整理し、SharePointにまとめておいて共有することもできます。

社内への情報共有の視点を持ち、チャットだけでなく、チーム、さらにはTeams以外の機能も活用できるように意識しましょう。

関連記事