「たたき台」を何度でも作れる
現在さまざまな分野で注目を浴びている対話型AI「ChatGPT」ですが、「どのように使えばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、実際のビジネスシーンですぐに役立つ質問文(プロンプト)の例を紹介します。
商品開発やマーケティングなど、部署によっては企画書を作成する機会が多いはずです。しかし、いざ企画書を作ろうと思っても「そもそも前提となるプランやアイデアが思い浮かばない」「他の業務に追われてなかなか手が付けられない」といったことはよくあります。実際、いくつもの企画書を書いていると、個人単位ではどうしてもアイデアが枯渇しがちです。
そこで検討したいのが、ChatGPTにプランやアイデアの候補出しから企画書の下書きまでしてもらうという方法です。ChatGPTを使えば、これらを対話形式で簡単かつスピーディーに作成することが可能になります。
企画書を自分で作成する場合、いかに業務時間内で効率良く済ませられるかがポイントになるでしょう。一方、部下や同僚に作成してもらう場合は、「ちょっと違うんだよな......」と感じても、再依頼できる回数には限度があります。
その点、ChatGPTならすぐにプランやアイデアを提示してくれますし、気に入らなければ納得がいくまで何度でも追加候補を出してもらえます。「これは使えるかも?」と思えるものがあれば、企画書の下書きも数十秒で終わります。そのままは使わないにしても、「たたき台」としてなら十分に活用できるはずです。
それでは、実際にChatGPTで企画書の下書きを作成してもらう流れを見ていきましょう。なお、本記事ではChatGPTの無料版に搭載されている「GPT-3.5」を使用しています。
ChatGPTのWebサイト
ChatGPT: Optimizing Language Models for Dialogue
ChatGPTで企画書の下書きを作成する
1ChatGPTの質問文を入力する
ここでは、清涼飲料水の販売促進プランを例にします。ChatGPTにログインしたら、「清涼飲料水の販売促進を行います。ターゲットは30代の男性。プランをいくつか考えてください。」と入力し、[Send message](送信)ボタンをクリックします。このとき、製品やターゲットなどに関するより詳細な情報を入れると、その内容に沿ったプランを生成してくれます。
HINT質問文の中で改行するには?
ChatGPTのメッセージボックス内で[Enter]キーを押すと質問文が送信されますが、[Shift]+[Enter]キーを押すと質問文の中で改行できます。
2追加の候補を生成する
プランの候補が生成されました。この中に気に入ったものがなければ、「さらに追加で候補を提案してください。」と入力します。
3詳細なプランとキャッチコピーを作成する
追加候補の中から、ここでは9番目の提案を採用し、詳細なプランとキャッチコピーの作成を行います。「9番目の提案について、より詳細なプランと、キャッチコピーを作成してください。」と入力します。
4社内会議用の企画書を作成する
プランの詳細とキャッチコピーの候補が生成されました。「キャッチコピーは5を採用します。この内容で、社内会議用の企画書を作成してください。」と入力します。
5社内会議用の企画書が生成された
対話形式で、簡単かつスピーディーに企画書の下書きを生成することができました。
このように、ChatGPTはプランやアイデアの候補出しと企画書の下書きにも活用することが可能です。気に入ったプランが出るまで、何度でも迅速に追加候補を生成してくれるのもポイントといえるでしょう。
ただし、ChatGPTの回答はたまにニュアンスがおかしかったり、誤字が混ざっていたりすることもあります。ひと昔前のチャットツールと比べて高度な回答が可能になったとはいえ、そこはあくまでもツールと割り切ることが大切です。
誤った情報や不適切な表現などが含まれていないか、事前に内容をしっかりとチェックしたうえで、社内での検討に利用するようにしましょう。