URLから画像を取得できるIMAGE関数

ExcelのIMAGE(イメージ)関数は、指定したURLから画像を取得してセル内に挿入できる関数です。Microsoft 365のExcelとWeb版のExcelで、新たに利用できるようになりました。

IMAGE関数でどのようなことができるのか、まずは以下の例を見てください。

IMAGE関数の利用例

IMAGE関数の使い方

この例では「イメージ」列にIMAGE関数を入力しました。「URL」列に入力されたURLを参照し、そのURLにある画像を取得してセル内に挿入しています。

商品のリストやキャンペーン情報の一覧をExcelで作成したとき、視認性を高めるために商品の写真や広告のバナー画像などをワークシート内に表示したいことがあります。そのようなとき、シートに画像を1枚ずつ挿入して、サイズを調整して、セルに合わせて配置して......といった経験をした人も多いのではないでしょうか。

こうした手作業は画像が数点であれば問題ありませんが、十数点を超えると非効率になってきます。何らか自動化する方法を考えるべきでしょう。

そこでIMAGE関数の出番です。Excelに配置したい画像がURLで参照できるようになっていれば、IMAGE関数を使うことで作業を自動化できます。しかも、画像をセルに合わせて自動的に配置することも可能です。

本記事では、シート内に多数の画像を配置する作業を効率化したい人のために、IMAGE関数の使い方を解説します。

IMAGE関数の構文

まずはIMAGE関数の構文を確認しましょう。


=IMAGEソース, 代替テキスト, サイズ, 高さ,


引数は5つありますが、2つめ以降は省略可能です。

  1. ソース] ...... 画像のURL
  2. 代替テキスト] ...... 画像の説明
  3. サイズ] ...... 画像の配置方法
    • 0、または省略 ...... 縦横比を維持してセルに収まるように配置
    • 1 ...... 縦横比を無視してセルに収まるように配置
    • 2 ...... 元の画像サイズで配置
    • 3 ...... 指定した[高さ]と[]で配置
  4. 高さ] ...... 画像の高さ(ピクセル単位で指定)
  5. ] ...... 画像の幅(ピクセル単位で指定)

画像の縦横比を維持してセルに収める方法が便利なので、1つめの引数である[ソース]を指定するだけで済むケースがほとんどでしょう。

ソース]には「https://」から始まるURL(HTTPSプロトコル)を指定します。画像形式としては、BMP、JPEG、GIF、TIFF、PNG、ICO、WEBPなどに対応しています。URLが入力されたセルを参照するのではなく、数式内でURLを直接指定したい場合は、半角の「"」(ダブルクォーテーション)で囲んでください。

なお、画像のURLは、Webサイトの画像を右クリックすると表示されるメニューから[画像のアドレスをコピー]または[画像のリンクをコピー]を選択するとコピーできます。

画像のURLのコピー方法

IMAGE関数の使い方

Webページの画像を右クリックして[画像のアドレスをコピー]や[画像のリンクをコピー]を選択すると、画像のURLをクリップボードにコピーできます。

IMAGE関数の入力方法

構文と引数が分かったところで、IMAGE関数の数式を入力していきましょう。今回の例ではIMAGE関数をセルC2に入力し、セルB2に入力されているURLの画像を取得します。

1IMAGE関数を入力する

IMAGE関数の使い方

セルC2に「=IMAGE(B2)」と入力します。

2画像を挿入できた

IMAGE関数の使い方

セルB2のURLの画像が表示されました。

ちなみに、IMAGE関数は複数のセルに数式の結果を表示する「スピル」機能にも対応しています。「=IMAGE(B2:B10)」のように1つの数式を入力するだけで、画像の取得が可能です。スピル機能について詳しくは、本記事末尾にある関連記事を参照してください。

第3引数[サイズ]による動作の違い

3つめの引数[サイズ]では、画像の配置方法を4パターンから指定できます。それぞれの違いを見てみましょう。

「0」を指定(または省略)した場合

IMAGE関数の使い方

セルの大きさに応じて、画像の縦横比を保ったまま表示されます。2つめの[代替テキスト]を省略する場合は、上の画面にもある「=IMAGE(B2,,0)」のように、2つめの引数に相当する箇所は何も入力せずに「,」で区切ってください。

「1」を指定した場合

IMAGE関数の使い方

縦横比は無視されて、セルいっぱいに画像が表示されます。

「2」を指定した場合

IMAGE関数の使い方

元の画像サイズを維持して表示されます。隠れている部分はセルを広げると表示されます。

「3」を指定した場合

IMAGE関数の使い方

サイズ]に続けて、4つめ、5つめの引数である[高さ][]をピクセル単位で指定することで、そのサイズで表示されます。[高さ]または[]の一方のみを指定すると、もう一方は縦横比を維持しつつ自動的に決定されます。

規則性のあるURLから画像を取得する

画像のURLの一覧がすでにあり、それらに規則性があるなら、IMAGE関数の数式をオートフィルでコピーするだけで一気に画像を取得できます。

例えば、画像があるパス(ディレクトリ)と画像のファイル名が連番で管理されているようなケースでは、パスとファイル名を「&」で連結して取得することも可能です。このとき、画像を参照できないURLがあると「#CONNECT!」エラーが表示されます。

1パスと画像名を連結して参照する
IMAGE関数の使い方

B列には画像があるパス、C列には画像のファイル名を入力してある状態で、セルD2に「=IMAGE(B2&C2)」と入力します。「&」は文字列を連結する演算子です。

2IMAGE関数の数式をコピーする
IMAGE関数の使い方

IMAGE関数の数式をコピーすれば一気に画像を取得できます。

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