【Power Automateではじめる業務の完全自動化】実務直結のノウハウが満載! 本連載では、企業へのMicrosoft 365の導入や活用支援を手がける著者・太田浩史氏による、Power Automateを使った業務自動化のノウハウを提供します。

第2章|フロー作成の基本操作をマスターしよう
LESSON 08

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ

基本的な操作に慣れてきたら、いよいよ実務で利用できそうなフローを作成してみましょう。どんなフローを作成するかはアイデア勝負です。作成するフローに悩んだ場合は、数多くあるテンプレートを眺めてみましょう。アイデアのヒントを与えてくれます。

テンプレートは活用のヒント

Power Automateでどんなフローを作れるのかを知るには、どんなテンプレートがあるかを見てみるのがおすすめです。Power Automateの左側のメニューから[テンプレート]を開いてみましょう。ここには、Microsoftや世界中のユーザーが集う「Power Automateコミュニティ」が作成したテンプレートが一覧で表示されています。テンプレートを基にフローを作成することもできますが、数がとても多いためすべてを試すのは大変です。まずは名前を見ながら、「こんなこともできるんだ!」と今後のフロー作成のヒントにしてみてはどうでしょうか。

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートからフローを作成する

テンプレートを基にフローを作成する方法も見ていきましょう。実際に業務で利用するほか、作成したフローを見て作り方を学ぶこともできます。

今回は、私のまわりでも利用者の多い[Office 365のメール添付ファイルを指定したOneDrive for Businessフォルダーに保存する]テンプレートを利用してみます。このテンプレートのフローを利用することで、特定のシステムから定期的に送られてくるメールの添付ファイルを、OneDrive for Businessのフォルダーに自動的に保存しておくことができます。

ここからの例では、給与管理システムから毎月メールで給与明細書のPDFファイルが届くことを仮定し、添付されるファイルを自身のOneDrive for Businessの[給与明細]フォルダーに保存してみます。

テンプレートを探してクリックすると、このフローの実行に必要な接続の確認画面が表示されます。問題なければ[続行]をクリックして先に進みます。すると、すぐにテンプレートを基にしたフローが作成されます。

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

一度テスト実行をしてみましょう。手動でテストを開始したあとで、Outlookを開き自身のメールアドレス宛に添付ファイル付きのメールを送ります。このとき、テスト実行をしたフローの編集画面は開いたままにしてください。メールが届きフローが実行されると、編集画面のウィンドウで実行結果を確認できます。フローの実行が成功していれば、OneDrive for Businessの指定したフォルダーに新しくファイルが追加されます。

フローをテスト実行する

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ここもポイント!設定が必要な項目を見つけるには

このフローを動作させるためには、自身の用途に合わせていくつかの設定を変更する必要があります。最低限必要な設定を見つけるには、[保存]をクリックしてエラーメッセージを確認するのが簡単です。以下のエラーメッセージでは、保存先のOneDrive for Businessのフォルダーを指定しなければならないことが分かります。このように、保存と設定を何度か繰り返すことで、フローが動作する状態に設定できます。

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

特定のアドレスからのメールのみファイルを保存する

このままでは、自身に受信トレイに届いたすべての添付ファイルがOneDrive for Businessに保存されるため、トリガーの設定を行い、特定のメールのみでしかフローが実行されないように変更します。このトリガーでは、 [差出人]や[件名フィルター]を利用し、トリガーの発生条件を限定することができます。特定のシステムから送信されてくるメールのような場合には、いつも同じメールアドレスの差出人から送られてくるはずなので、[差出人]にはそのメールアドレスを指定しましょう。[差出人]に指定したメールアドレスからメールが届いたときにだけフローが実行されるようになります。

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

さらに上達!メールの受信トリガーとOutlookの仕分けルールの合わせ技

[Office 365 Outlook]コネクタの[新しいメールが届いたとき(V3)]トリガーの設定だけではフロー実行対象のメールを上手く絞り込めない場合には、Outlookの仕分けルールを利用する手もあります。このトリガーの設定では、受信トレイの[フォルダー]を指定することができます。この設定を利用し、Outlookの仕分けルールを利用して受信メールを指定するフォルダーに移動させることで、トリガーを実行するメールを限定することができます。このように、Power Automateで作成するフローのトリガーやアクションの設定だけではなく、Outlookの機能とも組み合わせることで、より早く簡単に目的のフローを作成できることもあります。

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

ここもポイント!「ヘルプ」を参照してみよう

トリガーやアクションの使い方が分からない場合は、タイトルバーの[ヘルプ]から公式ドキュメントを参照できます。

テンプレートを眺めて利用シーンをイメージ|Power Automateではじめる業務の完全自動化

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