【Power Automateではじめる業務の完全自動化】実務直結のノウハウが満載! 本連載では、企業へのMicrosoft 365の導入や活用支援を手がける著者・太田浩史氏による、Power Automateを使った業務自動化のノウハウを提供します。

第4章|身近な業務に役立つフローで効率化
LESSON 26

比較処理をフローに組み込む

2つの値が同じかどうかなどの比較処理は、フローで作成するアルゴリズムの基礎です。[条件]アクションでも行えますが、条件が増えるとフローが複雑になりひと目で把握しづらくなります。関数を利用することで、フローをシンプルに保てます。

比較処理の関数を確認しよう

式を利用すると、これまで紹介してきた値の計算や変換以外にも、値を比較して判定を行うこともできます。「AとBは等しいか」、「AとBはどちらが大きいか」などの比較のほか、「AとBは等しく、かつ、BよりCが小さい」などの複数の条件を組み合わせた判定もできます。また、こうした比較処理で用いられる関数のほとんどは、ブール値の「true」または「false」のいずれかを結果として取得します。

比較処理の関数例

関数名 説明 利用例 得られる結果
equals 両方の引数が等しいかどうかを調べる equals(123, 123) 文字列の比較もできる equals('あいう', 'あいう') true
greater 第1引数の値が第2引数の値よりも大きいかどうかを調べる greater(5, 10) false
greaterOrEquals 第1引数の値が第2引数以上かどうかを調べる greaterOrEquals(5, 5) true
less 第1引数の値が第2引数の値よりも小さいかどうかを調べる less(5, 10) true
lessOrEquals 第1引数の値が第2引数以下かどうかを調べる lessOrEquals(10, 10) true
and 引数すべてがtrueかどうかを調べる and(equals('あいう', 'あいう'), greater(5, 10)) false
or いずれかの引数が1つでもtrueかどうかを調べる or((equals('あいう', 'あいう'), greater(5, 10)) true

値を変換するためにif関数と組み合わせる

式における比較処理は、if関数と組み合わせて利用されることが多いです。例えば、Formsで作成した研修会申込フォームの選択肢では「参加」「不参加」であっても、それを取りまとめるSharePointリストには[はい/いいえ]列で入力したい場合があります。そうした場合には、if関数とequals関数を組み合わせて、「参加」「不参加」を「true」「false」に変換することができます。

関数名 説明 利用例 得られる結果
if 第1引数の条件がtrueなら第2引数の値を、falseなら第3引数の値をそれぞれ取得する if(equals('ABC', 'EFG'), 'はい', 'いいえ') いいえ

Excelファイルの内容をSharePointリストに転記|Power Automateではじめる業務の完全自動化

値を変換してFormsの回答をリストに転記する

if関数とequals関数を組み合わせて「研修会申込フォーム」の回答をSharePointリスト[参加者名簿]の列に入力するフローを作成します。式を使い回答結果を「true」「false」に変換し、その値を、SharePointリストの[はい/いいえ]列で作成した[研修会参加][懇親会出席]列に入力します。あらかじめ「研修会申込フォーム」と「参加者名簿」リストを用意してからフローを作りはじめましょう。

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フローを保存して実行する

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ここもポイント!ちょっとした違いでエラーになることも

式の中の「true」「false」はブール値です。これをシングルコーテーションで囲み「'true'」と書くと文字列の値になります。場合によっては、値の形式が異なることでアクションがエラーになります。リストの[はい/いいえ]列では、ブール値と文字列のどちらでも構いません。

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