ここでは、陣取りゲームとしてのIngressのルールや勝利条件を解説します。次の3本の記事で解説している基本的な遊び方を身に付けた、レベル8以上のエージェントを主な対象としていますが、レベル7以下のエージェントも知っておいて損はありません。
Ingress初心者が身に付けたい、レベルアップ&上達の3つのワザ[L1~3向け]
Ingress中級者が知っておきたい、攻撃と防衛のワザ[L4~5向け]
Ingress上級者に必要な、補給と戦線維持のワザ[L6~7向け]
「サイクル」ごとのMUを意識しよう
Ingressでは、エージェントが作成したフィールドの中のMU(マインドユニット。フィールド内の人口)の数を、レジスタンス(青)とエンライテンド(緑)の両陣営で競います。MUの値は、世界を細かなエリアに分割した「セル」ごとに計算されたあと、全世界(グローバル)で集計されます。
フィールドは常に作られたり破壊されたりしますが、5時間ごとに「チェックポイント」が設けられ、チェックポイントを通過(チェックポイントの瞬間に存在)したフィールドのMUだけが計算されます。つまり、チェックポイントの数秒前に作られたフィールドのMUは計算されますが、チェックポイント直前に破壊されたフィールドのMUは、それまで4時間以上存在していたとしても、計算されません。
そして、175時間(35チェックポイント。7日と7時間)ごとに「サイクル」が設定されており、サイクル中のチェックポイントごとのMUの平均が高かった陣営が、そのサイクルの勝者となります。
現在のところ、サイクルの戦いに勝利/敗北したからといって、特に何かがあるわけではないようです。しかし、成績の記録は残ります。
マップ画面で左上の八角形のアイコンをタップしてから[INTEL]をタップすると、両陣営が全世界で獲得しているMUがグラフで表示されます。画面の下には両陣営の獲得MUを時系列で表したグラフと、次のチェックポイントおよび現在のサイクルの終了時刻までのタイマーが表示されます。
[REGIONAL SCORES]をタップすると現在地のセルの成績が、[HISTORY]をタップすると過去の成績が表示されます。
セルごとの成績の画面では、両陣営の獲得MUのほかに、そのセルで多くのMUを獲得したエージェントの名前が[TOP 3 AGENT]に表示されます。
[CELL ACTIVITY]をタップすると、付近のほかのセルを選択できます。[SEE OTHER AGENTS]をタップすると、両陣営のトップ50のエージェントと、自分の順位が表示されます。[HISTORY]をタップすると、そのセルの過去の成績が表示されます。
[SEE OTHER AGENTS]をタップして表示される、セル内のエージェントのランキングです。このランキングの成績は、チェックポイントを通過していないフィールド分も計算の対象になるようです。
レベルも表示され、必ずしも高レベルのエージェントだけが上位にいるわけではないことがわかります。(エージェント自身の)機動力と、ちょうどいいポータルさえあれば、低レベルのエージェントでも多くのMUを獲得するフィールドを作ることが可能です。
もういちど、ここまでのルールをまとめておきましょう。
- 175時間が1サイクル
- 5時間ごとにチェックポイント
- チェックポイントを通過したフィールドのMUが計算される
- サイクル終了時にチェックポイントごとのMUの平均が大きい方の勝ち
特殊なルールによるイベントもある
通常ルールのほかに、Ingressではしばしば、特殊なルールによるイベントを行っています。
イベントはIngressのGoogle+ページで告知されますが、英語なので、ハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、エージェントのコミュニティに参加すれば、イベントを和訳して紹介し、参加を呼びかけている人と知り合うこともできます。
▼IngressのGoogle+ページ
Ingress - Google+
世界を驚かせる大規模なフィールドを作るエージェントも
Ingressのリンクやフィールドは、国をまたぐほどの大きな規模で作ることもできます。特に獲得MU数を競うイベントが行われているときには、巨大なフィールドが作られて話題になることがあります。
2014年8月9日に行われた台北や香港、クアラルンプールを舞台にしたXM Anomaly(特別イベント)では、韓国、オーストラリア、インドを結ぶエンライテンドの巨大フィールドが作られました。レポートによると各国から130人以上のエージェントが参加したとのことです。
▼エージェントによるレポート「OPERATION MATAHARI」
OPERATION MATAHARI Date: August 9 2014 MU Count: 659,701,766 To coincide with...
▼Niantic Labs(Ingressを開発しているGoogleの社内ベンチャー)の川島優志氏による和訳
mask303 blog: オペレーション・マタハリ
日本では、2014年8月6日に広島の平和公園で折り鶴の形のフィールドが作られ、話題になりました。
▼イベントのページ(Google+)
[Ingress Art] 平和公園でオリヅルしませんか? - Google+
そう簡単にできることではありませんが、エージェントのコミュニティに参加することで、こうした企画に加わるチャンスが得られるでしょう。
個人的な楽しみを追及して遊ぼう
個人のレベルでは、勝敗に大きな影響を及ぼすようなフィールドを作るのは難しいかもしれません。しかし、Ingressを楽しむために、個人的な目標をさまざまに設定することができます。
レベル9以上へのレベルアップには、APだけでなく「ハックした数」「レゾネーターを破壊した数」などの成績を基準数まで満たした「メダル」を手に入れる必要があります。そのような意味でも、「新しい駅で降りてハックしまくろう」「今日は敵陣営のポータル密集地帯を全滅させよう」といった、個人的な目標(特に、個人の努力だけで達成できるもの)を決めて楽しむことは大切です。
レベル8以上のエージェントの情報では「次のレベルまでに何色のメダルを何個取る必要がある」という情報が表示されます。
数値化されないものでも「毎日歩いてダイエットする」「変わったポータルキーをコレクションする」「旅行で離島に行ったついでにキーを集めて、おもしろい使い方を考える」のような目標設定も考えられます。生活の中にうまくIngressを取り込んで、無理なく――時間の余裕が取れたら、たまにはちょっと無理することも、楽んでいきましょう。
できるネットのIngress(イングレス)解説記事まとめ