深夜に山登りまでしたくなるIngressとは、いったい何なんだ!?

こんにちは。ブログ「ネタフル」のコグレマサトです。2014年7月14日のiPhoneアプリ公開と同時にIngressを開始して以来、ドハマりして、ブログにもいくつも記事を書いています。

今回は、Ingressが気になっている方や、現在Ingressをプレイしていて、どう楽しんでいこうか考えている方の参考にしていただければと、ぼくのプレイ状況や楽しみ方を紹介します。

最初に、Ingressについて簡単におさらいしましょう。Ingressは、リアルな世界をベースに、スマートフォンのアプリを通じて見える仮想現実の世界で、青の「レジスタンス」と緑の「エンライテンド」の両陣営が陣取り合戦を繰り広げるゲームです。

陣取りの拠点は「ポータル」と呼ばれ、ポータル同士を「リンク」(接続)し、三角形の「フィールド」(陣地)を作っていきます。ポータルは、寺だったり、神社だったり、地蔵だったり、街角のレリーフだったりと、現実世界の「モノ」にその役割が与えられています。

そして、実際に「モノ」がある場所まで行かないと、ハック(ポータルに侵入し、アイテムなどを入手すること)やリンクはできません。歩いたり、自転車や車に乗ったりと手段はさまざまですが、とにかく街に繰り出したくなる。それがIngressというゲームの特徴です。

▼「ネタフル」のIngressカテゴリ
[N]Ingress

ぼくがIngressを始めようと思ったのは、iPhoneアプリよりも先に提供されていたAndroidアプリでIngressにハマった友人の書き込みを、Facebookで見ていたからでした。

彼はIngressのためだけに睡眠時間を削って深夜に山登りをしたり、車で遠くの街まで走ったりと、当時のぼくの感覚では理解しがたい行動を、しばしば取っていました。何が彼にそこまでさせるのか、Ingressとはいったい何なのか? と、その理由を知りたいと思ったのです。

そして、iPhoneアプリをインストールしてプレイを始めたぼくも、みごとにハマってしまいました。

5kmでは「赤子のハイハイ」だ!

Ingressは「とにかく歩くゲーム」だと聞いていたので、ダイエットも兼ねようとして、最初はとにかく歩きました。スキャナー(Ingressのアプリを起動したスマートフォンは、Ingressの世界を見る「スキャナー」と呼ばれます)の画面に映る、見慣れた街を覆う仮想現実の世界に魅了されながら歩くと、「ここまで」と思っていたポータルの、その数100m先にもう1つポータルがあるのが見え、いつのまにか遠くまで歩いてしまいます。

iPhoneアプリが公開された7月14日は、暑い日でした。昼間から、ルールもよくわからないながらも「まずはハック」と教わったので次々とポータルをハックしながら5km歩き、自分ではかなりがんばったなと思いつつ帰宅して、Facebookで「Ingressで5km歩いてきました」と報告しました。繰り返しますが、炎天下を5kmのウォーキングです。

移動の記録にはiPhoneアプリの「Moves」(無料)を利用。移動時間、移動距離、歩数と、移動した場所や利用した交通手段が自動的に記録されます。

ところが、それに対する先輩エージェントたちのコメントは「それは準備運動だ」「赤子のハイハイだ」と、非常に辛辣なものでした(編集部注:極めてヘビーなエージェントによるコメントです)。

そこで発奮したぼくは、深夜にさらに5km歩きました。以後、毎日10kmずつ歩くペースを続けることになります。

Ingressで街を歩くと少し先にポータルが見え、そこまで行くと、さらに先にポータルが見えます。すると、そんな場所に何かあったっけ? と気になり、そのポータルもハックしたい、いいアイテムが出るかもしれないし、ポータルキーも手に入れたい、リンクもしたい......と、ついつい予定以上に歩いてしまう。それがIngressの魅力の1つだと思います。

先輩エージェントのアドバイスもあって、初日に中立のポータルにデプロイしてリンクを張ることを覚え、翌日には、フィールドの作成に成功しました。3日目でレベル5にまで到達し、効果的な武器の使い方(レゾネーターに重なってXmpバースターを撃つことで最大のダメージを与えられる)などの細かく設定されたルールを知って感激し、夢中になっていきました。

▼できるネットでは、初心者エージェント向けの解説を掲載しています
Ingress初心者が身に付けたい、レベルアップ&上達の3つのワザ[L1~3向け]

フィールド作りは「地図に残る仕事」

このゲームでいちばん感動したのは、大きめのフィールドを作って帰宅し、パソコンでIntelマップを確認したときでした。自分の足を使って描いた、自分の三角形(フィールド)を見て、これは「地図に残る仕事」だ! と感じた瞬間です。

Ingressにハマってからは、毎日の歩く(Ingressをプレイする)時間が1時間から1時間半、さらに2時間と、どんどん伸びていってしまいました。

数日して「このままではいけない!」と自制し、時計を気にして歩くようになりましたが、時間があればあるだけ歩きたいと思うようになってしまったのは、自分自身でも驚きです。スキャナーの画面に1つポータルが見えると、引き寄せられるように、そっちに向かってしまうんですよね......。

広いエリアの状況を見て作戦を立てるのに最適な「Intelマップ」。帰宅後に自分が作ったポータルを確認するのは、エージェントとして達成感を味わえる瞬間です。
▼Intelマップの使い方解説
Ingressで広い範囲の情報を見る「Intel」マップの使い方

歩くコースは、ある程度決まった巡回コースはありつつも、毎日気分によって変えています。外出先で用事が終わってからIngressをしたり、遠くまで歩いて電車で帰ってきたりすることもあります。

毎日決まったルートを歩くのは、さすがに飽きてしまいますし、義務感で続ける必要はありません。何日か同じコースを歩いて、少し「Ingress疲れ」のようなものを感じ始めたころ、先輩エージェントから「目先を変えるのも重要だ」と、いつもと違う場所へいくことを示唆してもらいました。

Ingressには「Unique Portals Visited」(ハックしたポータルの個数。1つのポータルへの複数回のハックはカウントしない)という指標があり、これが100、1,000、2,000~と増えると「Explorer」というメダルがもらえます。メダルのためにも、目先を変えて未知のポータルがある場所へ行くことは重要なのです。

Ingressで、これまでほとんど関心を持って見たことがなかった身近な場所の寺や神社を訪ねたり、地元なのに通ったことのなかった小路を歩いたりすることで、自分の街の違った顔が見られることには、幸せを感じます。Ingressをしていなければ絶対に行かなかった場所、気付かなかった風景を、いくつも発見できたからです。

「Ingressダイエット」の効果は1カ月で5kg!

ダイエットに関しては、いくらか助けになれば......というくらいの軽い気持ちで始めたのですが、結果的には、Ingressのおかげで1カ月足らずのうちに5kgほど体重が落ちました。夢中になって歩きながらやせられるので、完全なるストレスフリーのダイエットです。

これは、エージェントみんなに起こることで、歩いたり、自転車で走ったりすることによって、最初の1カ月で5kg前後やせる人が多いようです。まさかIngressに痩身効果があるとは思ってもみませんでしたが、とにかく外に出たくなるのですから、当然のことかもしれません。

当初は、このように孤独にひたすら歩いていましたが、あるとき、同じ陣営のエージェントと一緒に歩く機会があって、新しい楽しみ方を発見しました。第2回は「チーム戦としてのIngressの楽しみ方」を紹介します。

▼第2回
仲間がいれば強大な敵にも勝てる! Ingressチーム戦の楽しみ[コグレマサト]

HINTIngressの「課金アイテム」!?

Ingressは無料のアプリで、プレイ自体にはお金はかかりません。しかし、Ingressを効率良くプレイするために、歩きやすい靴や虫除けなど、何かを購入する出費のことを「課金アイテム」と呼ぶ人たちがいます(ソーシャルゲームで、いいアイテムを手に入れるために「課金」するのにちなんでいます)。

ぼくはこれまでに、ランニングシューズ、自転車用のライト、自転車に取り付けるスマートフォンポーチを「課金」してきました。中には、エージェント活動の範囲を広げようと、自転車を新しく「課金アイテム」として購入する人もいます。

「課金」と呼ぶのはジョークの一種ですが、Ingressは人の行動を変え、新しい行動様式に合ったアイテムが入り用になってきて、その結果が「課金」となります。仮想世界のゲームなのに、リアルな現実の行動と密につながっているのは、Ingressのおもしろさの一面だと思います。