こんにちは。ライフ×メモの堀 正岳です。ここでは、長くIngress(イングレス)を楽しむために役立つサイトと情報源、そして、レベル8以降のエージェント向けの戦略について紹介したいと思います。

Ingressを始めたときに読んだ記事で、心にグサッと刺さったフレーズがあります。

「LV8に到達した! おめでとう、これでゴール達成か? いいや、本当の熾烈なゲームはここからだ」

Ingressというゲームのすごさは、レベル8以降は武器(Xmp バースター)の強さも、ポータルに設置するレゾネータの強度も頭打ちになるという点です。レベル8以上のエージェントは、単純な「強さ」で差を付けることができません。そして、十分なXmpバースターとパワーキューブを持って攻めてくる相手から、ポータルを守ることはほとんど不可能です。

では、延々と壊し合いを続けるしかないのでしょうか? そうではありません。手持ちのアイテムの物量、物理的な行動範囲、プレイ時間の制約などまで考えた戦略を練ることで、有利な戦況を作ることができます。

ときには、地理的な条件も考える必要があります。例えば幹線道路や線路をまたいだり、山や川を越えたリンクを張ってフィールドを作ることで、敵陣営のエージェントにとっては攻撃しにくく、味方にとっては守りやすい陣地を作ることができます。そのような戦略も、レベル8以降では大切です。

先ほど紹介したフレーズは、Ingressというゲームの奥深さは、やっとここ(レベル8)から体験できるんだよ、という挑戦の言葉だったのです。

地図を読み、戦略を練る

例えば、下の画面写真は、私が住んでいる三浦半島付近の、この原稿を書いている時点でのIntelマップです。一見すると乱雑にポータルとフィールドが広がっているだけのように見えますが、実際にこのエリアを歩いてみると、どうしてこのような勢力分布になっているのかが理解できます。

Intelマップは黒で地形がわかりにくくなっていますが、実際にその場所を歩いてみると、なぜそのような勢力分布になっているのか納得できるようになります。

▼Intelマップの操作解説
広い範囲の情報を見る「Intel」マップの使い方

ポータルが密集しているのは横須賀、大船、鎌倉などの人口が多い街や、ポータルの候補になる史跡が多い街です。それらをつなぐようにJR横須賀線やJR東海道線の線路沿いにもポータルが多く分布し、通勤や通学で人が動く方向に沿って、多くのリンクが張られる傾向があります。

反対に、三浦半島の真ん中にはまったくポータルが存在しない場所もあります。これはもちろん、山地でポータルの候補となるオブジェが極端に少ないからです。

このような地勢と勢力分布の関係だけでなく、毎日Intelマップで勢力分布の変化を観察していれば、常に取ったり取り返されたりの攻防が続いているポータルはどこか、なかなか攻撃されないポータルがどこにあるか、といったことが見えてきます。

同様のことは、どのエリアでも観察できます。毎日のようにめまぐるしくポータルの所有者が変わっているような地域でも、あるエージェントと別のエージェントの行動範囲のはざまになっていて、意外と動きの少ないポータルがあるのです。もしも自分の行動範囲に、そうしたポータルが発見できたらチャンスです。そこを拠点にして周辺にリンクを広げていけば、攻められにくい陣地を築くことができるかもしれません。

三浦半島ならではの特徴としては、浦賀水道の対岸(千葉県)のポータルとリンクした巨大フィールドを作りたくなる魅力があります。海岸のポータルを集めて、久里浜(神奈川)と金谷(千葉)を結ぶ東京湾フェリーを利用してリンクを張るエージェントもいるようです。

また、半島の南端である三崎には、執筆時点ではほとんどフィールドがありません。三崎への観光がてら、半島の南部に巨大な多重CFをつくってみるのもいいかもしれません。

このように、自分の行動範囲のIntelマップをよく見て、地域の「クセ」がみえてくると、どのような遊び方ができるか、どのような戦略が有効かが見えてきます。そのためには、何よりも行動範囲のIntel マップを丹念に観察することが、スタートとなるのです。

攻撃の入りやすさをシミュレートできる「IPAS」

戦略を考えるときには、攻撃対象になる的陣営のポータルの「硬さ」を考える必要もあります。手持ちのアイテムやかけられる時間を考えて、強固なポータルを強引に突破するよりも、攻撃しやすいポータルを複数攻略してフィールドを書き換え、有利な展開を作っていこうという作戦になることもあるでしょう。

ポータルの「硬さ」はポータル自身のレベルだけでなく、MODの種類(シールドの有無や数)やリンクの数などによっても変化し、カンだけで適切に見積もるのは、けっこう難しいものがあります。

このようなときは、ポータルを攻撃したときにどれだけのダメージが入るのかをシミュレートできるサイト「 IPAS」 (Ingress Portal Attack Simulator) を試してみましょう。ユーザーが解析したデータを元にダメージを計算できるサービスで、レゾネーターのレベル、距離、シールドやリンクの有無、そしてXmpバースターのレベルを入力すると、各レゾネーターにどれだけのダメージが入るかが表示されます。これによって、どれだけXmpバースターやパワーキューブがあれば対象のポータルを攻略できるかの見当が付けられます。

▼IPAS
http://ipas.graphracer.com/

IPASではポータルの状態を詳細に設定し、ダメージのシミュレーションができます。なお、実際に攻撃するときには一定の確率でシールドの破壊が起きますが、IPASではシールドの破壊は考慮されません。

リンクの距離を計算する助けになる「Ingress portal calculator」

浦賀水道のような海を隔てたエリアなどで、遠くまでリンクを張って広域のフィールドを作りたくなったときに気になるのが、ポータルから張れるリンクの距離です。

レベル8のエージェントが1人でデプロイしたポータルはレベル5が上限となりますが、このときのポータルからリンクを張ることができる距離は、100kmが上限となります。正確にはポータルに配置されたレゾネーターのレベルの平均値の4乗に160mを掛けた値がリンクの距離となるのですが、これを暗算で行うのは無理でしょう。

そこで役立つのが、「Ingress portal calculator」というサイトです。レベル8とレベル6の2人エージェントでデプロイできるポータルのレベルはいくつで、そのときのリンクの距離は何kmが上限か、といったことが瞬時に計算できます。

Googleマップには2点間の距離を測定する機能が実装されているので、これを使うことで、ポータル間をあらかじめ計測し、実際にリンクが可能か、リンクアンプなどのアイテムを使う必要があるのか、といった計画を立てることができます。

▼Ingress portal calculator
https://www.sven.de/ingress/

エージェントの人数とレベルを入力することで、何レベルのポータルを作ることができ、リンク距離(renge)は何mかを計算できます。

▼Googleマップ
https://www.google.co.jp/maps/

パソコンのGoogleマップ上で起点としたい場所を右クリックして「距離を測定」をクリックし、次に任意の地点をクリックすると、起点からの距離が表示されます。上の画面写真のように3箇所を順番にクリックして、3つのリンクの距離を計測することも可能です。

Intelマップから常に新しい可能性を見つけよう

Intelマップと、このようなユーザー提供のツールを日々使い続けていると、しだいに、地図の中にさまざまな可能性を発見できるようになります。

「ここのリンクを断ち切ったら?」「この場所にリンクをしたら?」「ここを使えば面白い多重CFがつくれそうだ」といったようにです。まるで、昔の軍師が戦場を高台から一望して敵の弱点を見抜くように、地域のクセを見抜いて戦況を一変させ、新しいゲームの面白みを引き出せるようになるでしょう。

例えば都会の電車の沿線によくみられるフィールドには、

  1. 沿線にそってリンクされている
  2. 駅の出口により、北側や南側などにフィールドが別れている
  3. 駅前からの通り沿いにリンクが多く作られている

といった特徴があります。

以前から実家(JR中央線沿線)の近くには、こうしたパターンがあると気付いていました。そこで、先日実家に帰ったときに、1時間ほどかけて、沿線を横切るリンクやエージェントがよく歩くであろう道路を横切り行動ルートをさえぎるリンク、敵陣営の大きな陣地を2分するフィールドを作ってみました。

すると、そのような変化に追随するように味方のエージェントの動きが変わって、1週間ほどが経った今でも、元の状態には戻っていません。ほんの少しのリンク、ほんの少しの場の変化が、周辺のエージェントの行動を変え、戦況も変わったわけです。

このようにして地図とにらみ合い、新しい可能性を探すことで、あなた自身の足が向く先も激戦が繰り広げられている地域ばかりでなく、さまざまに変化することでしょう。その先には常に新しいIngressの楽しみ方や、新しいポータルの発見が、そして、新しい人との出会いが待っているはずです。