データ通信アダプター+定額プランがおすすめ

 携帯電話やPHSを使うデータ通信では、通信速度、料金プラン、カバーエリアの3つが重要です。こちらで主要サービスの一覧を紹介しているので、そちらも併せて参照してください。

 通信速度では、NTTドコモとソフトバンクモバイル、イー・モバイルの3社がHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と呼ばれる高速なデータ通信規格を採用しています。この規格では、下り最大7.2Mbpsの通信が行えます。

 料金プランでは定額制がおすすめです。定額制ならインターネット接続中に料金を気にせず、思う存分使えるからです。PCのデータ通信で特に人気がある業者は、無条件で完全な定額で通信できる、ウィルコムとイー・モバイルの2社です。 NTTドコモの「3Gハイスピード」をPCから利用する場合は、専用ソフトを使用して通信する必要があるほか、動画が一部を除き利用できないなど、データ通信内容に大きな制限があります。

 カバーエリアではNTTドコモとauがもっとも広く、次いでソフトバンクモバイル、ウィルコム、そして最後発のイー・モバイルが勢いよく追い上げているという状態です。また、各社それぞれカバーエリアの強いところと弱いところがあるようです。例えば、ウィルコムは地方には弱い一方で都市部に強く、東京の地下鉄の駅のカバー率はかなり高いようです。また、イー・モバイルは弱いと言われている地下街やビルの中を強化すべく力を入れています。

専用のユーティリティ「EMOBILE HW Utility」を利用してインターネットに接続できる

電話機のモデム利用ではパケット代に注意

 携帯電話やPHSを使うデータ通信というと、データ通信アダプターを使う方法以外にも、普段から通話やメールで使っている携帯電話端末などを使う方法もあります。

 ただ、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルでは、定額プランと言っても携帯電話向けのサイト閲覧など、その電話機を操作してのアクセスに限定されているのが一般的です。PCと接続したモデムとしての利用では定額の対象外になり、ちょっとしたファイルのダウンロードでも高額を請求される場合があります。

 PCでワイヤレスブロードバンドを楽しむなら、データ通信アダプターの定額制プランを利用するのが現実的です。電話機でのネット利用は、Webアプリケーションのモバイル版などの利用にとどめるのが賢明でしょう。

[ヒント]さらに高速な次世代ワイヤレスブロードバンドサービス

2009年には、さらに高速なワイヤレスブロードバンドサービスの開始が計画されています。ウィルコムは次世代PHS技術で100Mbpsを超えるサービスを、UQコミュニケーションズはMobileWiMAXという技術で高速なデータ通信を提供しようとしています。UQコミュニケーションズはKDDIを中心に設立された新規の通信事業者です。