ネットブックやiPhoneなどの多彩なデバイスが登場

 レッスン1で紹介したGoogleのシュミットCEOの言葉には、「どこか"雲"の中にあるサーバー」ともう1つ、「どのようなデバイスからでも利用できる」という表現がありました。

 現在では、多くのユーザーがネット接続可能な複数のデバイスを持っていることが当たり前な状況になっています。パソコンや携帯電話のほか、5万円前後で買える小型・低価格なパソコン「ネットブック」、2008年に大きな話題になった「iPhone」やスマートフォン、さらにはテレビ、ゲーム機など、さまざまなインターネットデバイスが私たちの周りに存在しています。

多様な用途がクラウドを求めている

 複数のデバイスの活用を考えるとき、それらの間をつなぐ「ハブ」的存在として、クラウドが重要になってきます。

 例えば、スケジュールを管理するとき「パソコンと携帯電話で別々に予定を入力する」という状態は非常に不便です。パソコンと携帯電話をケーブルでつないで同期する方法もありますが、さらに便利で合理的なのは「インターネット上のサーバーで集中管理し、どのデバイスからアクセスしても同じ情報を入力・閲覧できる」という状態でしょう。

 また、新しいデバイスの登場は、新しい使い方も生みます。魅力的なデバイスを手にした人たちは「移動中にスケジュールを確認するだけでなく仕事もしたい」「離れて暮らしている家族の近況をテレビで知りたい」などと考え、それらのニーズを満たすためのサービスが生まれます。

 すると、そのようなサービスを安定して提供する強力なサーバー、つまりクラウドのニーズも高まります。クラウドコンピューティングはデバイスの進化が求めた、とも考えられるわけです。

●クラウドを通して複数のデバイスを活用

[ヒント]「ハブ」を介して多くのデバイスがつながる

「ハブ(Hub)」は、ネットワークの中継点のことです。ハブを介して多くのデバイスがつながれば、それぞれが双方向でデータをやりとりでき、情報の集中管理などを実現できるようになります。