自分の使い方に合わせて接続方法を選ぼう

 携帯電話や無線LANなどのネットワーク技術が進歩したおかげで、ミニノートPCをどこでもインターネットに接続して使える環境が整ってきました。会社や自宅では有線・無線LAN、出掛けた先では携帯電話やPHS、公衆無線LANなど、多種多様なデータ通信のためのインフラが用意されています。

●主な接続方法とそれぞれの特徴

接続方法 利用できる場所 通信速度 通信費
LAN(イーサネット) 自宅、会社、ホテルの客室など 超高速 無料※1
無線LAN 自宅、会社、ホテル、駅、喫茶店、レストランなど 高速〜超高速 無料※2
携帯電話 どこでも 中速〜高速 有料
モバイルWiMAX どこでも※3 高速〜超高速 有料
PHS どこでも 中速 有料
次世代PHS どこでも※3 高速〜超高速 有料
モデム(アナログ・
電話回線)
自宅、会社、ホテルの客室など 低速〜中速 有料

※ 1:ホテルの客室などで利用する場合は別途通信費が必要
※ 2:公衆無線LANサービスを利用する場合は別途利用料が必要
※ 3:サービス開始当初はカバーエリアが限られる
●通信速度の目安
超高速 10Mbps以上/高速 1Mbps以上/中速 32kbps以上/低速 32kbps未満
●いずれの接続方法でも、ADSLや光ファイバー、プロバイダーの利用料は別途必要

 ここで重要なのは、ミニノートPCを持ち込んだ場所によって最適な接続方法を選ぶということです。左ページの表のように、接続方法によって利用できる場所や通信速度、また利用するための費用は異なります。自分の生活圏ではどの接続方法を使うことになるのか、またそれぞれの費用対効果はどうかなどを考慮する必要があるわけです。

自宅や会社ではLANで高速接続

 LANには、有線LANと無線LANがあります。おそらくもっとも多くの方が利用している接続方法でしょう。

 有線・無線LANはほとんどのミニノートPCに標準搭載されているので、無線LANのアダプターなどを追加で購入する必要はありません。ただし、自宅や会社にLANケーブルでインターネットに接続できる環境がない場合や、無線LANのアクセスポイントが設置されていない場合は、それらを別途用意する必要があります。

 自宅や会社以外の外出先では、公衆無線LANサービス(「ホットスポット」とも呼ばれます)も利用できます。

OSの標準機能で、付近のアクセスポイントを自動的に検出して接続できる

携帯電話やPHSならどこでも接続できる

 携帯電話やPHSのデータ通信機能は、飛躍的な進化を続けています。通信速度が年々高速化しているうえ、定額プランを適用する通信事業者が増えているなど、ますます使いやすくなってきました。カバーエリアも広いため、「いつでもどこでも」のユビキタスネットワークを強力に支えてくれるでしょう。

 ミニノートPCを携帯電話やPHSでインターネットに接続する場合は、データ通信専用のアダプターを使う方法と、それぞれをUSBケーブルで接続して携帯電話やPHSを無線モデムとして利用する方法があります。現在の主流はデータ通信アダプターを使う方法で、各キャリアが販売しているアダプターを用いてインターネットに接続します。

専用の接続ソフトを利用してインターネットに接続できる

次世代通信インフラやモバイルアクセスポイントも登場

 さらに、新しい通信技術「モバイルWiMAX」を採用したサービス「UQ WiMAX」や、2009年10月にサービス開始予定の「WILLCOM CORE XGP」にも要注目です。数十Mbpsという超高速通信が可能となるこれらのサービスは、開始当初こそカバーエリアが東京、大阪、名古屋などの大都市圏に限られますが、将来的に全国的な通信インフラとなることが期待されています。

 また、無線LANのアクセスポイントを携帯可能なまで小型化し、携帯電話やPHSのデータ通信機能を追加できる製品が登場しています。この「モバイルアクセスポイント」があれば、ミニノートPCのみならず、iPhoneやゲーム機などをいつでもどこでもインターネットに接続できます。

モデムは海外出張時などで重宝

 最近では、インターネット接続にアナログモデムを使うケースはほとんどなくなっています。ただし、FAXを送る場合や海外出張時にホテルの電話回線を利用する場合など、必要なケースもあるでしょう。しかし、ほとんどのミニノートPCはモデムポートを搭載していないため、別途モデムカードやUSB接続のモデムなどを追加購入する必要があります。

 また、海外出張時にモデムを利用する場合は、さらに各国の電話回線に合わせたアダプターが必要になります。

[ヒント]「WILLCOM CORE XGP」ってなに?

「WILLCOM CORE XGP」はウィルコムの次世代PHS のサービス名で、2009年10月に開始される予定です。将来は100Mbps以上という超高速通信が実現できると言われており、モバイルWiMAXと同様、今後のモバイルブロードバンドを担う中心的な技術として注目されています。WILLCOM CORE XGPは従来の基地局を更新してインフラを作るので、比較的お金をかけずにインフラ整備が可能とされています。

▼WILLCOM CORE
http://www.willcom-inc.com/core/