Part1 Section 04 資料作成のオンライン化
オンラインでの資料作成は手戻りを大幅に減らせる
完成→ダメ出しのサイクルはムダが多い
会議用や保存用などの資料作成は、時間と手間がかかる仕事の1つだ。その主な原因である資料作成の担当者と上司のコミュニケーションをオンラインで変えることにより、時間も手間も軽減できる。
まず、オフラインの典型的な資料作成の過程を考えてみよう。上司の指示を受けて担当者が資料を作成し、提出する。担当者はいったん、この段階で考えられる100%の完成度の資料を作成するだろう。
そして、上司の確認後、修正指示を受けて資料を作り直す。作成時の指示が曖昧であったり誤解があったりすると、ほぼゼロからやり直しとなることもある。下図の上段の状況だ。
このようになってしまう事情はわかる。資料を作成する担当者としては、下書きのようなものを上司に見せるのも失礼だと感じる。上司にしてみれば、指示した後で考えが変わったり、実際の資料を見て初めて気が付いたりすることもある。
やむを得ない面もあるにしても、ムダが多いことは事実だ。これを「オンラインで働く」やり方では、どのように改善できるだろうか?
オフラインとオンラインでの資料作成の対比
下書きから共有しながら都度指示を行う
オンラインで資料を作成する場合は、Googleドキュメントを使って白紙の段階から関係者とドキュメントを共有し、作成を始める。Slack上で文書のURLを共有しておけば、直接の上司に限らず、誰もがいつでも資料の作成過程を見ることができる。
部下に資料作成を指示したら、上司は時おり確認し、方向修正が必要ならば適宜指示する。作り慣れた資料なら途中で確認する必要はないかもしれないが、初めての場合はこまめに確認するなど、タスクの内容と当人の技量に応じたフォローがやりやすい。上手の下段のイメージで、大きな手戻りなく進められる。
資料を作成する担当者としては、白紙の状態から共有している資料なので、途中で気兼ねなく質問もできる。資料作成を完全に担当者の作業とするのでなく、上司が常に確認し指導できる共同作業と位置付けることで、大きな手戻りをなくし、効率化できるわけだ。
承認過程も共有により高速化できる
資料・文書を直接の上司以外の部長や部門長が承認する必要がある場合は、共有された文書を全員が見て、その場で承認すれば、書類を回覧するよりもずっと短時間で承認が完了する。承認の依頼もSlackで行い、最終承認者まで全員に同時に知らせればいい。
ピラミッド型の大きな組織では、何段階もの承認過程があり、中間の管理職が上長の心情を忖度して文書に注文を付けたり、自分の色を加えたくてどこかしら修正させたり、といったこともある。しかし、オンラインで最終承認者までに一気に共有していれば、必要性が低い注文は付きにくい。
手戻りを少なくして作成し、一気に承認を受けることで、資料や文書を作成する業務は飛躍的に効率化できる。
このコンテンツは、インプレスの書籍『Slackデジタルシフト 10の最新事例に学ぶ、激動の時代を乗り越えるワークスタイル変革(できるビジネス)』の内容をWeb向けに再構成したものです。
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