メモ書き用のカレンダーをテンプレートから作る

2024年のカレンダーを準備する時期になりました。普段は「Googleカレンダー」や「Outlook」、スマートフォンのカレンダーアプリを利用している人が多いと思いますが、以下のような用途では、メモ書き用の紙のカレンダーが役立ちます。

  • 対面での会議中に、その場で書き込んでスケジュールを決める
  • 締め切りを忘れないように、自宅やオフィスの壁にカレンダーを貼っておく
  • シフト表を店舗の見やすい場所に貼り、変更があれば書き込めるようにしておく

しかし、わざわざ購入した市販のカレンダーに予定を書き込んでは消して......と、くり返すのは気が引けますよね。Excelでカレンダーを作成して、何枚でも印刷できるようにしておいてはいかがでしょうか? 何度でも書き込めて、もう書けなくなったら印刷し直せばOKです。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

Excelで作成した2024年のカレンダー。何枚でも印刷し直せるので、メモ書きの用途には最適です。決まっている予定はデータとして入力しておくことも可能です。

テンプレートを利用するのが、Excelでカレンダーを作成する簡単な方法です。Excelの画面からテンプレートを読み込めるほか、マイクロソフトの公式サイトでもさまざまなカレンダーが公開されています。

テンプレートでは物足りなければ、白紙の状態から自作するのがおすすめです。簡単な数式だけで作成できます。さっそく試してみましょう。

動画で操作方法を見る!

※BGMが流れます。音量にご注意ください。

Excelのテンプレートからカレンダーを作成する

手軽にカレンダーを作成するなら、Excelからテンプレートを選択するのが簡単です。[ファイル]-[新規]の画面からテンプレートを検索できます。

ここでは例として「万年 1か月カレンダー(メモ欄付き)」というテンプレートをダウンロードして、2024年1月のカレンダーを作成します。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

[ファイル]-[新規]とクリックした画面です。検索候補として「カレンダー」が表示されています。見当たらない場合は、検索ボックスに「万年カレンダー」と入力して検索してください。

1テンプレートを選択する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

[ファイル]-[新規]の画面から[カレンダー]をクリックすると、カレンダーのテンプレートが表示されます。ここでは「万年 1か月カレンダー(メモ欄付き)」を選択します。

2テンプレートからファイルを作成する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

選択したテンプレートが表示されました。[作成]をクリックします。

3「年」を変更する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

テンプレートからカレンダーのファイルが作成されました。初期状態では、現在の年(ここでは2023年)のカレンダーが表示されますが、これは「カレンダーの年」を表示するセルH3に「=YEAR(TODAY())」と入力されているためです。TODAY関数で取得した現在の日付から、YEAR関数で「年」が取り出されているわけです。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

ここでは2024年1月のカレンダーを作りたいので、セルH3に「2024」と直接入力します。入力後に「2023年1月」のカレンダーに切り替わります。

4印刷に不要な部分を非表示にする

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

2024年1月のカレンダーが完成しました。セルG2~H4が印刷されないように、非表示にしておきましょう。ただし、カレンダーが壊れてしまうので、セルG2~H4を削除してはいけません。まずは罫線を消すために、セルG2~H4を選択して罫線を[罫なし]に設定します。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

罫線を消去できました。さらに文字色を「白」に設定します。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

セルG2~H4の文字色が「白」に設定されて見えなくなりました。

5土日に背景色を設定する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

土日のセルに背景色を設定しておくといいでしょう。2月以降に切り替えたいときは、非表示にしたセルH2の「月」を切り替えます。

マイクロソフトの公式サイトでカレンダーを探す

マイクロソフトの公式サイトから、カレンダーのテンプレートを探す方法もおすすめです。写真入りのカレンダーなど、華やかなテンプレートも用意されており、無料で利用可能です。

ここでは、Excelのファイルをダウンロードしますが、PowerPointやWord向けのファイルも提供されており、同じく印刷して利用できます。

カレンダー特集 - 楽しもう Office

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

マイクロソフトの「カレンダー特集」のWebサイトです。Excelのほか、PowerPointやWordで利用できるカレンダーのテンプレートを無料でダウンロードできます。

1テンプレートをダウンロードする

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

カレンダー特集のWebページを表示しておきます。ここでは「月間カレンダー」を選択します。[このテンプレートはこちら]をクリックします。

2テンプレートを表示する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

カレンダーの詳細が表示されました。[Excelテンプレートのダウンロード]をクリックします。ダウンロードが開始しないときは[Excelテンプレートのダウンロード]のリンクを右クリックして[名前を付けてリンクを保存]を選択してください

3テンプレートの内容を確認する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

ダウンロードしたファイルを開いた状態です。このテンプレートは各月でワークシートが分かれてるので、必要な月を表示して印刷します。

3カレンダーを設定する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

このテンプレートでは「年」と週の開始曜日を[カレンダーの設定]シートで設定します。セルC2で「年」を指定します。セルC3では、週の始まりの曜日を指定できます。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

[1月]シートに切り替えると、2024年のカレンダーに切り替わっていることを確認できます。

白紙の状態からカレンダーを自作する

白紙の状態からオリジナルのカレンダーを自作することも可能です。テンプレートでは物足りない場合は、オリジナルのカレンダー作りにチャレンジしてみましょう。以下は完成のイメージです。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

Excelで白紙の状態から自作したカレンダーの例です。ここでは月曜日始まりのカレンダーを作成しました。自分好みのデザインに変更できるのもいいところです。

ただし、カレンダーの日付を「1」「2」「3」......と直接入力するのはNGです。月が変わるたびに入力し直さなければならなくなります。入力ミスの可能性もありますよね。

1つのセルの日付を変更するだけで「月」の切り替わる仕掛けを用意します。日付関数を駆使するように思えますが、必要なのは「=A3+1」「=A3+7」「=MAX(A3:G3)」の3つのみと、単純な数式で作成可能です。

例えば、セルA3に入力した日付を基準にすると、セルB3の日付は「=A3+1」で表せます。一週間後のセルB4の日付は「=A3+7」となります。「=MAX(A3:G3)」の数式はカレンダーのタイトルの「月」を表示するために使います。これらのことを踏まえて、具体的な操作を見ていきましょう。

カレンダーの日付を入力する

1第一週の日付を入力する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

2行目に曜日を入力しておきます。1行目にはカレンダーのタイトル「年月」を入力したいので、この時点では空白にしています。第1週目の月曜日(セルA3)に日付を入力します。2024年1月1日は月曜日なので、カレンダーの基準とする日付は「2024/1/1」と入力しています。翌日のセルB3には「=A3+1」と入力しました。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

セルB3の数式「=A3+1」をセルG3までコピーします。これで第一週の日付を入力できました。

2第二週目の日付を入力する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

第二週の日付としてセルA4に「=A3+7」と入力します。「第一週目の7日後」という意味です。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

セルA4の数式「=A3+7」をオートフィルでセルG4までコピーします。

3第三週目以降の日付を入力する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

第三週以降の日付を入力します。セルA4からG4までを選択した状態で下方向へドラッグしてオートフィルでコピーします。

4日付の表示形式を整える

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

日付をすべて入力できました。「yyyy/mm/dd」から、日付のみに表示形式を変更します。日付全体のセル範囲(A3~G8)を選択して[Ctrl]+[1]キーを押します。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されました。[ユーザー定義]をクリックして[種類]の入力欄に半角の「d」と入力して[OK]ボタンをクリックします。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

日付の表示形式が変更されました。

5「年月」を取り出す

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

カレンダーの見出しとして「2024年1月」と表示します。月の切り替えと連動するように関数を利用します。セルA1に「=MAX(A3:G3)」と入力して、第一週の最大の日付を取得します。

6セルの表示形式を「年月」に変更する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

セルA1を選択して[Ctrl]+[1]キーを押して[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示します。続いて[日付]を選択し、[種類]から[2012年3月]を選択します。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

セルA1の表示が「2023年1月」となりました。これでカレンダーの機能は完成です。

カレンダーの書式を整える

続けてカレンダーの書式を整えましょう。A4用紙の横方向に印刷する場合、列の幅:120~130ピクセル、行の高さ:90ピクセル程度を目安にセルのサイズを調整します。

7セルのサイズを整える

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

ここでは、1~2行目の高さは40ピクセル、3~8行目の高さは90ピクセル、A~G列の幅は130ピクセルとしました。

8書式を設定する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

土曜日、日曜日、祝日の背景色と日付のフォントを設定しました。

翌月のカレンダーに切り替える

最後にカレンダーの動作を確認するために翌月の2月に切り替えてみましょう。作成したカレンダーの基準となる日付は、セルA3でしたね。この日付を当月の最終月曜日に指定すれば、翌月のカレンダーに切り替わります。

なお、祝祭日は自動的に反映されないので、セルの背景色などの書式は手動で再設定してください。

9基準の日付を変更する

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

セルA3の日付を「2024/1/29」に変更します。

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

2月のカレンダーに切り替わりました。見出しも「204年2月」に変更されています。

10書式を整える

Excelで2024年のカレンダーを作る3つの方法。テンプレートの活用から数式を駆使した自作まで

祝祭日の書式を2024年2月に合わせて整えれば完成です。

手軽にカレンダーを作るならテンプレートが便利です。さまざまな種類が公開されているので、お好みのものを探してみてください。また、オリジナルのカレンダー作りも意外と簡単だったのではないでしょうか。ぜひチャレンジしてみてください。

関連記事

Excelのセル内で改行する方法。任意の位置で改行するキー操作から関数を使った挿入・削除テクニックまで

エクセルのセルに文字列を入力するとき、「改行」に困ったことはありませんか? 単純に[Enter]キーを押しても、下のセルが選択されてしまいます。今回は改行の仕方について、キー操作だけでなく関数を使ったテクニックまで含めて紹介します。

ExcelでPythonが使える「Python in Excel」とは? 高度な処理をPY関数で実現できる

プログラミング言語「Python」(パイソン)をExcelで利用できる機能「Python in Excel」が発表されました。新関数「PY関数」を利用することで、ExcelからPythonのコードを実行できるようになります。一般提供はまだ先ですが、できるようになることを紹介します。