対応が難しいメールの下書きに活用

現在さまざまな分野で注目を浴びている対話型AI「ChatGPT」ですが、「どのように使えばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、実際のビジネスシーンですぐに役立つ質問文(プロンプト)の例を紹介します。

近年では社内コミュニケーションにチャットツールを利用するケースも増えてはいますが、やはりビジネスにおける情報共有やコミュニケーションのベースとなっているのはメールです。特に社外とのやりとりは、その多くがメールに依存しており、1日に数十通の返信を書く方もいると思います。

しかし、中には返信を書くのが難しい内容も存在します。その代表格が、顧客や取引先などから送られてくるクレームのメールです。

クレームのメールは迅速な対応が求められる一方で、内容も慎重かつ丁寧なものでなければいけません。とはいえ、あらかじめテンプレート化されていたような返信では相手に納得してもらうことが難しく、さらなるクレームの増加につながる可能性もあります。

そこで検討したいのが、ChatGPTに返信メールの文章を下書きしてもらうという方法です。ChatGPTを使えば、クレームの内容を踏まえた文章を簡単かつスピーディーに作成できるので、その文章をベースに返信メールを仕上げれば、返信の早さと丁寧な内容の両立が可能になるでしょう。

それでは、実際にChatGPTで返信メールの文章を作成する方法を見ていきましょう。なお、本記事ではChatGPTの無料版に搭載されている「GPT-3.5」を使用しています。

ChatGPTのWebサイト

ChatGPTでクレームのメールをもとに返信用の文章を作成する

1メールの本文をコピーする

ChatGPTをメールの文章作成に使う方法。クレームへの返信例を考えてもらうと?

ここでは、製品の動作不良に関するクレームのメールを例にします。企業としても大切なリピーターを逃したくはないため、よりいっそう慎重かつ丁寧な対応が求められるところです。まずはメール本文をコピーします。

2 ChatGPTの質問文を入力する

ChatGPTをメールの文章作成に使う方法。クレームへの返信例を考えてもらうと?

ChatGPTにログインしたら、以下の内容を質問文として入力し、[Send message](送信)ボタンをクリックします。ちなみに、ChatGPTのメッセージボックス内で[Enter]キーを押すと質問文が送信されますが、[Shift]+[Enter]キーを押すと質問文の中で改行できます。

以下のクレームメールが送られてきました。返信メールを作成してください。

御社が販売しているドライブレコーダー「B-0001」を購入した者です。

購入からわずか1ヶ月で映像が記録されなくなりました。2年ほど使っていた「A-0001」の性能が良かったので後継機種にも期待していたのですが、今回の不具合は残念でなりません。

対応しだいでは二度と御社の製品を買わないと思います。

高梨稔

3返信用の文章が生成された

ChatGPTをメールの文章作成に使う方法。クレームへの返信例を考えてもらうと?

ChatGPTからの回答が生成されました。ごくわずかな時間で、ここまで丁寧な返信メールの文章が完成するのは驚きです。相手がメールに記載してきた内容が盛り込まれているため、「しっかりと個別対応してくれている」という印象も与えられるでしょう。

4文字数の制限を条件として追加する

ChatGPTをメールの文章作成に使う方法。クレームへの返信例を考えてもらうと?

ChatGPTが生成した返信用の文章を、文字数の制限を加えて調整してみましょう。例えば、顧客からのクレームがメールではなくECサイトのコメント欄に書き込まれていた場合、文字数に制限があることが多いはずです。その文字数をChatGPTに条件として入力すれば、その通りに調整された文章が生成されます。先ほどの回答に対して、「300文字以内でまとめてください。」と入力してみましょう。

5条件に合った文章が表示された

ChatGPTをメールの文章作成に使う方法。クレームへの返信例を考えてもらうと?

見事に300文字以内に要約された文章が生成されました。

このように、ChatGPTはクレーム対応のメールやコメントの文章作成にも活用することが可能です。まるで人間が書いたかのような、自然な文章が生成されることが最大のポイントでしょう。

ただし、ChatGPTの回答はたまにニュアンスがおかしかったり、誤字が混ざっていたりすることもあります。ひと昔前のチャットツールと比べて高度な回答が可能になったとはいえ、そこはあくまでもツールと割り切ることが大切です。誤った情報や不適切な表現などが含まれていないか、事前に内容をしっかりとチェックしたうえで、実際のメールやコメントに利用するようにしましょう。

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