エラーの取り扱い

エラー値の種類

セルに入力した数式や関数に間違いがあったり、数式に含まれるセル参照の参照先のデータが不適切だったりすると、セルに「エラー値」が表示されます。その場合は、表示内容を見てエラーの原因を特定し、数式を修正して原因を取り除くようにします。Excelのエラー値には、その原因に応じて次の11種類があります。

エラー値の種類とその対処法
表示意味/エラーとなる例/原因と対処方法
#DIV/0!数式や関数が0(ゼロ)または空白のセルで割られている
=SUM(A1:A4)/A5と入力していて、セルA5が空白になっているとき
数式内での割り算や内部に割り算が含まれる関数を利用している場合に、計算の過程で何かの値が0(ゼロ)で割られた。数式や引数、参照先のデータを修正する
#N/A計算や処理の対象となるデータがない、または正当な結果が得られない
=MODE(10,20,30,40)
検索/行列関数や統計関数などで、検索値の指定が不適切だったか、検索範囲内に適合するデータがない。または、関数の計算で適切な戻り値が得られなかった。数式や引数、参照先のデータを修正する
#NAME?Excelの関数では利用できない名前が使用されている
=HEIKIN(A1:C1)
関数名が間違っているか、数式に使用した名前が定義されていない。または、使用しているExcelのバージョンには対応していない関数を入力している。以上のうち、いずれかの原因を修正する。
#NULL!半角空白文字の参照演算子で指定した2つのセル範囲に、共通部分がない
=SUM(A1:A3 C1:C3)
セルの共通部分を指定する参照演算子(半角空白)が間違っているか、指定した2つのセル範囲に共通部分がない。数式や引数を修正する
#NUM!数値の指定が不適切、または正当な結果が得られない
=DATE(50000,1,1)
使用できる範囲外の数値を指定したか、それが原因で関数の解が見つからない。数式や引数、参照先のデータを修正する
#REF!数式内で無効なセルが参照されている
「=INT(A1)」と入力していて、セルA1を移動または削除してしまったとき
参照先のセルを移動したり削除したりしたため、正しいセルを参照できなくなった。数式や引数を修正する
#VALUE!関数の引数の形式が間違っている
MAX("Dekiru")
数値を指定すべきところに文字列を指定したり、1つのセルを指定すべきところにセル範囲を指定したりしている。正しい形式の引数を指定する
#GETTING_DATA計算に時間がかかる処理を実行している
キューブ関数の実行中など、データの取得に時間がかかっている場合
待っていればエラーは消える
#SPILL! または #スピル!スピル機能により入力されたセル範囲に余計なデータが入力されている
セルA1に「= SEQUENCE(5)」と入力したとき、セルA2~A5 のどれかにすでにデータが入力されていた
スピル機能でデータを入力するセル範囲は空白にしておく
#FIELD!参照したフィールドが存在しない
「=FIELDVALUE(A1,"GNP")」と入力したが、セルA1のデータに項目名「GNP」がない
存在するフィールドを指定する
#CALC!配列数式で空の配列が返された
「=FILTER(A2:B4,B2:B4>10)」と入力したが、セルB2~B4に10より大きな値がない
配列にデータが返されるようもとのデータや関数を記述する

活用のポイント

  • エラーの原因を知るには、[エラーのトレース]ボタンを利用してヘルプを見たり、エラーの内容や計算の過程を確認したりするといいでしょう
  • エラー値とは異なりますが、数式の計算結果によっては、セル幅いっぱいに「########」のような文字列が表示されることがあります。このような状態が発生するのは、セル幅が短くてデータをすべて表示できない場合か、Excelで扱える範囲外の数値がセルに入力されている場合です。対処法としては、前者の場合はセル幅を広げます。後者の場合、たとえばシリアル値として正しく扱えない値が入力されているときは、正しく扱える値(0以上、2958466未満)を入力します。

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