こんにちは。ライフ×メモの堀 正岳です。前回の記事ではIntelマップをにらみ、戦略を立てるための考え方やツールを紹介しましたが、今回はレベル8エージェントの日常の一部をご紹介しましょう。

▼前回の記事:
軍師のように地図を読み取れ。Ingressを戦略的にプレイするヒント

Ingressというゲームは、レベル8を境に、急にその目的が変わります。レベル8に達するまでは、ひたすらAPを獲得し、強いアイテムが使えるまでレベルを上げるのが重要な目的となります。

ここまではハックするポータルのレベルが7か8かはそれほど大きな違いはないでしょう。しかし、レベル8に到達したとたん、一転してレベル8のポータルの意味合いは大きくなってきます。

ここからは自陣営のレベル8ポータルを他のエージェントと協力して作り、相手陣営には作らせないようにしつつ、互いに作成するフィールドのMUで競い合うステージに入ります。

ゲームは壮大な囲碁のように、体力と知力と想像力の戦いに進化するのです。

地域コミュニティ&ハングアウトで交流しよう

もうIngressの地域コミュニティには参加しましたか? 例えば関東近郊だと「Ingress Enlightened Tokyo」や「Ingress Resistance Tokyo」といったコミュニティが Google+上に存在しています。

▼Ingress Enlightened Tokyo(関東のエンライテンドコミュニティ)
Ingress Enlightened Tokyo(参加方法の案内)

▼Ingress Resistance Tokyo(関東のレジスタンスコミュニティ)
Ingress Resistance Tokyo(参加方法の案内)

それぞれのFaction(陣営)のエージェントだと確認でなければ参加できないように、簡単な認証手続きがあります。コミュニティの参加方法を読んで、申請してみてください。

Ingress Resistance Tokyoの参加方法を案内しているページ。説明どおりに申請を行い、Googleアカウントとエージェントのコードネーム(名前)が一致することを確認してから参加が承認されます。エンライテンドも同様です

コミュニティでは、高レベルのエージェントに自分が活動している地域の援助を頼んだり、近隣で活動するエージェントどうしで連携作戦の相談をしたりできます。近所に敵エージェントが多くて苦戦している場合は、こうした場を見てみましょう。同様に苦戦しているほかのエージェントが、共闘を呼びかけているかもしれません。

コミュニティだけではなく、より細分化された地域ハングアウト(Google+ハングアウト)も数多く存在します。COMMで呼びかけたり、コミュニティで質問したりすると、ほかのエージェントが招待してくれることでしょう。

地域ハングアウトでは敵エージェントが襲来してきたときに助けを呼びかけたり、わかりにくいポータルへの行き方、敵ファームを攻撃するときの連携、味方エージェントのレベル上げの協力など、地域に密着した情報交換や相談がされている場合が多くなります。

コグレさんの記事「仲間がいれば強大な敵にも勝てる! チーム戦の楽しみ」でも触れられていますが、Ingressはほかのエージェントとチーム戦を行うことで、楽しみが増えます。ぜひ、コミュニティや地域ハングアウトへの参加を検討してみてください。

フラッシュファーミングに参加しよう

レベル8になるとすぐに直面するのが、アイテムの保有数の上限2000個という壁です。主にXmpバースター、レゾネーター、ポータルキーのように数百個ずつ持っているのが普通となるアイテムを中心に、どのようにバランスを取って保有するかが難しくなるのです。

高レベルのアイテムの供給も問題になってきます。東京の大手町、新宿、あるいは神奈川県の川崎などのように常に大勢のエージェントが歩いている都会の主要駅には、常にレベル8のポータルが存在する場所もあります。

しかし、郊外に住んでいる人は、こうした都市部のファームに定期的に行けなければ、アイテムがすぐに枯渇してしまいます。特に敵陣営の襲撃が多いと、ポータルを取り返すだけでXmpバースターを使い果たしてしまって、逆襲がなかなかできないということもあるのです。

そうしたときに行われるのが「フラッシュファーミング」というイベントです。フラッシュというのは「素早く」という意味で、高レベルのエージェントが時間と場所を決めて集合し、付近のポータルを一気にレベル8まで上げて、短時間のうちに高レベルアイテムを収集することを目的とします。

レベル8のエージェントが8人揃えば、どのような場所でもすぐにレベル8ポータルを作ることが可能です。すでにレベル8のレゾネーターが数本配置されたポータルがある地域に集まって、足りない分を埋めてファーミングを行うのでも違いはありません。

それぞれのエージェントはフラッシュファーミングで手に入れたアイテムを地元に持ち帰って活動するわけですが、1人では手間がかかったアイテム収集を、力を合わせて短時間で行えるのが利点となります。

しかし、ぐずぐずしてはいられません。急にファームが生まれたことに気づいた敵エージェントが殺到してきて、攻撃を始めるに違いありません。それまでに、どれだけアイテムを手に入れられるかが勝負です。

少人数のレベル8エージェントでもADA refactor/Jarvis Virusでレベル8ポータルを作成

フラッシュファーミングをしたいけれどもレベル8のエージェントが8人揃わないという場合にも、レアアイテムである「ADA Refactor」(エンライテンドのポータルをレジスタンスに反転させる)「Jarvis Virus」(レジスタンスのポータルをエンライテンドに反転させる)を使って、レベル8ポータルを作る方法があります。

手順は以下のとおり。この方法には最低2人のエージェントが必要となります。

  1. 自陣営のポータルに、その場にいるレベル8エージェント全員がレベル8レゾネーターを配置しておく
  2. エンライテンドならADA Refactor、レジスタンスならJarvis Virusを使って、ポータルを敵陣営に反転させる
  3. もう一度、今度は反対にエンライテンドならJarvis Virus、レジスタンスならADA Refactorを使って、ポータルを自陣営に戻す
  4. このとき、ポータルのレゾネーターの所有者はすべてADA RefactorまたはJarvis Virusを使ったエージェントになるため、ほかのエージェントは再度レベル8レゾネーターを配置可能になる

「ADA Refactor」と「Jarvis Virus」は、レゾネーターやMODはそのままにポータルの陣営を反転させる貴重なアイテム。利用には対象のポータルのレベル×1000XMが必要となります。また、ポータルを反転させてもAPはいっさい入りません。

これを繰り返すことで、レベル8エージェントが8人いなくてもレベル8ポータルを作ることが可能です。ただし、1回反転させたポータルは、次に反転可能になるまでに1時間待つ必要があることに注意してください。

連携して敵陣営に対応し、有利な状況を作る戦略

自陣営のために高レベルのポータルを増やしてファームを作るだけでなく、敵陣営にファームを作らせない、あるいは敵陣営に手間を多くかけさせる戦略も、さまざまに存在します。

たとえば敵陣営のファームを攻撃したときに、主要なポータルを取り囲むフィールドを作ってしまうという作戦があります。フィールドは大きければ大きいほど有効で、敵軍は都合のよい場所にファームを復活させる前に、まず邪魔なフィールドを何とかしなければいけなくなるため、それだけ自陣営に時間の余裕が生まれます。同様の効果は、破壊した相手ファームを横切るリンクを張っておくことでも得られます。

欧米のIngressのサイトでよく話題に上がるのは「餌ファーム」という手法です。まず、フラッシュファームを作成するポータルの鍵を参加者に配っておきます。そして数人のエージェントでフラッシュファームを行い、可能な限りのアイテムを取得したのちに、敵エージェントが反応する前に車などで分散して移動します。

敵エージェントがフラッシュファームしたポータルを攻撃しにきたら、車で付近を周回してXMを集めつつ、運転していない人やポータルキーを持っているエージェントたちが、一斉にポータルにXMのリチャージを行います。結局ファームは敵軍の手に落ちるかもしれませんが、相手のアイテム消費量を数倍にすることができます。

こうした作戦の有効性は、都会か郊外か、また敵味方のエージェントが何人いるかなどに依存するため一概には言えませんが、ふだんの行動範囲でしばらくプレイしていれば、しだいにどんな作戦が効果的なのか、経験から見えてくることでしょう。

日常に寄り添うIngressのプレイスタイルができてくる

Ingressはとてもダイナミックなゲームです。たとえ互いに緊密にリンクされたレベル8ポータル群があっても、アイテムを潤沢にもった数名のレベル8エージェントが活動すれば、状況は一変してしまいます。

また、ある程度状況が固定した地域にたった1人の新人のエージェントが登場するだけで、周辺の地図はその人の行動範囲にあわせて塗り替わってしまうこともあります。

なので、特定のポータルに執着して「取った」「取られた」と必死になるような遊び方は、あまり有意義なものではありません。味方や敵の動きをIntelマップで眺め、以上で挙げた作戦も参考にしつつ、前回の記事で述べたように、地図からさまざまな可能性を読み取ってみましょう。

そうしていくうちに、Ingressがみなさんの日常の中に、習慣のように定着してくることでしょう。最初は非常にアグレッシブだった遊び方も、しだい落ち着き、まったりと日常の生活の中に溶け込んでくるはずです。

それはIngressに飽きたということでしょうか? いいえ、そこにポータルがあるからこそ外に出る、発見と出会いにあふれた新しい日常の始まりなのです。