「ログインするだけ」で作業環境が整う

 「パソコンを1分でセットアップ」とは、少々“とんち”めいた話です。通常、パソコンを使い始めるには、ソフトウェアのインストール、設定の変更、データの移行といったセットアップ作業で、数十分〜数時間程度が必要になります。

 しかし、メールや文書の作成・管理、スケジュール管理などにGoogleのサービスを利用していれば、「ブラウザーを起動し、URLにアクセスしてログインする」という1分程度の作業で、これらのセットアップは完了したことになります。

 現状ではすべての機能をWebサービスに移行できるわけではなく、すべてを1分でセットアップするのは難しいですが、インストールするソフトウェアの数や移行するデータの量を減らすことで、セットアップ作業の手間を減らす効果はあります。

 また、トラブルが発生して代替用のパソコンで作業しなければならないときでも、Webサービスに必要なデータがあり、「1分でセットアップ」したパソコンで緊急対応ができるようになっていれば、慌てる必要はなくなります。

 こうしたワザが使えるのは、「さまざまなデバイスからサーバーに接続し、ブラウザーさえあればWebサービスを利用できる」という環境があればこそ。クラウドコンピューティングのありがたさを実感できる場面です。

●新しいパソコンのセットアップにかかる手順

[ヒント]公共のパソコンを使うときは気をつけて

オフィスの共有パソコンなど、ほかのユーザーも利用するパソコンでWebサービスにログインするときは、ログイン情報を残さないように気をつけましょう。Googleのログイン画面では、必ず[次回から入力を省略]のチェックをはずしてからログインし、[パスワードを記憶しますか?]と表示されたときは[いいえ]をクリックします。利用が終わったらブラウザーの履歴、Cookie、フォームデータなどを削除し、アクセスした痕跡をすべて消しましょう。後で使うユーザーが自分のIDでログインできる状態になっていた場合、Webサービスにあるすべてのデータを見られ、改変などをされる恐れもあります。また、管理状態が明らかでないパソコンは、パスワード入力の操作を盗む悪意のあるソフトウェア(「キーロガー」と呼ばれます)が動作している恐れもあり、ログインすること自体が危険です。