134 コンバージョンの分析

ECサイトでの購入に至るファネルを可視化する

ECサイトで期待通りに商品が売れないとき、大きく分けて以下の3つのような問題があると想定し、それらの原因を探っていく必要があります。

  1. ユーザーが商品詳細ページに到達していない
  2. 商品の魅力が伝わっていない、価格が高いなどの理由でカートに入らない
  3. カートに入っても決済が完了されない

拡張eコマースを実装すると、これらの点をクリアに可視化するレポートが追加されます。そのうちのひとつが[ショッピング行動]レポートで、サイト全体のセッションから商品詳細ページの閲覧数、カートに入った回数、決済が完了した回数などがわかります。上記の1、2の状況を明示してくれるレポートです。

このレポートの表では、標準では[ユーザータイプ](新規ユーザーとリピーター)がディメンションになっていますが、[キャンペーン]や[デバイスカテゴリ]といったディメンションに変更することもできます。

使用画面コンバージョン > eコマース > ショッピング行動

ECサイトでの購入に至るファネルを可視化する - できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

ECサイトでの購入に至るファネルを可視化する - できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

また、[決済行動]レポートでは、カートに入った回数、注文を開始した回数、決済方法を選択した回数、決済を完了した回数といったように、トランザクション発生までの詳細なファネルを確認できます。いわゆる「カート落ち」(上記のページの3)を把握できます。

使用画面コンバージョン > eコマース > 決済行動

ECサイトでの購入に至るファネルを可視化する - できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

ポイント

  • 例えば、商品詳細ページの閲覧数は多いのに、ほとんどカートに入らない商品については、商品の説明文の追加・修正、画像の追加、レビューの掲載、価格の見直しなどのアクションを検討します。
  • サイト全体のセッションではなく、商品ブランド、商品カテゴリ、商品名、商品ID(SKU)ごとの商品詳細ページの閲覧数やトランザクションの発生数を確認するには、[コンバージョン]メニューの[eコマース]→[商品の販売状況]レポートを表示し、指標グループを[ショッピング行動]に切り替えます。
  • [ショッピング行動]および[決済行動]レポートを利用するには、[管理]画面で拡張eコマースの設定を行い、カスタマイズしたトラッキングコードを挿入する必要があります(ワザ048049を参照)。
  • 拡張eコマースの実装にはシステム担当者の協力が必要で、大がかかりな作業となります。そこまで手間をかけられない場合は、各ステップを目標設定する「ビッグファネル」で対応することが次善の策となります(ワザ046188を参照)。

拡張eコマースによるレポートは、ECサイト運営者の「なぜ売れないの?」に答えてくれます。