CHAPTER 2-1
花王 [デジタルマーケティング部 データサイエンス室]

現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に

データの重要性にいち早く注目し、大きな成果を生み出してきた花王。その中枢であるデジタルマーケティング部では、主にECの領域でDomoを利用している。単なる可視化に留まらない、ビジネス課題の解決に根ざした取り組みが進行中だ。

最強のデータ経営:現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に

写真撮影:蔭山一広(panorama house)

本コンテンツは、インプレスの書籍『最強のデータ経営 個人と組織の力を引き出す究極のイノベーション「Domo」』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「はじめに」「おわりに」は以下のリンクからご覧ください。
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データ活用の専門部署を2004年に立ち上げ

世界中の人々の豊かな生活に貢献するため、ビューティケア、ヒューマンヘルスケア、ファブリック&ホームケア、そしてケミカルの4つの事業分野で幅広い商品を展開している花王。「顔の洗える石けん」を身近にした「花王石鹸」、日本に洗髪の習慣を根付かせた「花王シャンプー」、さらには油汚れを簡単に落とせる洗剤「マジックリン」など、同社の商品は私たちの生活に大きな影響を与えてきた。2017年度の売上高は1兆4,000億円を超え、営業利益率も13.7%を確保するなど、業績は好調だ。

その花王において、データの統合的な分析やアルゴリズムの開発などによってビジネスに貢献することを目指し、2004年に「デジタルビジネスマネジメント室」(以下、DBM室)が発足する。

DBM室の背景にあったのは、「データをもとにマーケティングを考えていく」という信念だ。そこから広告・宣伝やセールス、ブランドの価値などについて、さまざまな視点で分析が進められてきた。実際に漂白剤「ワイドハイターEXパワー」の売り上げを大きく伸ばすなどの成果を生み出している。

現場との意識の差が招いたデータの可視化でのつまずき

DBM室の役割の1つには、データの可視化があった。しかし、当時DBM室に所属していた佐藤満紀(さとう みつのり)氏は「当時の可視化はうまくいかなかった」と振り返る。

「可視化のために内製でWebアプリケーションを開発し、ダッシュボードでデータを見られる仕組みを用意していました。ただ、ソフトウェアに対する要件の変化が速く、それに追従する作業が回らなくなり、現場が疲弊してしまったのです」


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花王株式会社 デジタルマーケティング部 データサイエンス室 室長
佐藤満紀

1990年花王入社。IT部門でのシステム開発とマーケティング部門でのデータ解析をともに10年以上現場で実践。現在はデジタルマーケティング部でデータドリブンなマーケティング活動を推進。


しかし、それ以上に問題だったのは「実際に現場で活用されなかった」ことだと佐藤氏は続ける。

「企業の文化や仕事の進め方というのは、なかなか変わらないものです。それでも、私たちは『こうしたダッシュボードを使うべきだ』と現場にプッシュしていましたが、なかなか浸透しませんでした。当時の苦い経験です」

データ分析の流れを変えたECの台頭

DBM室はデータの可視化において、一時は思うような成果を生み出せなかった。しかし、その後あらためて取り組む必要性に迫られることになる。そのきっかけとなったのが、インターネットにおけるECの台頭だ。

「花王では以前より、商品をお客さまに適切に届けるためのインフラ構築に力を入れてきました。これはマスマーケティングに最適化されたものであり、商品の製造から広告・宣伝、そして『お店に行けば必ず買える』という物流の最適化までを含んでいます。このような情報基盤は、現在でも利用されています。それに対して、新たな流通であるECの領域には十分な情報基盤がなく、何らかの手当が必要だと考えていました」

佐藤氏がこうした問題意識を感じていると、社内のEC担当者から「力になってほしい」と依頼を受けた。新たに設立された「デジタルマーケティング部 データサイエンス室」でデータ分析に携わるようになった佐藤氏は、独自の分析を進めることになる。

その成果は早いタイミングから現れ、デジタルやECには数多くの有用なデータがあるという発見があった。佐藤氏は「ECのデータを分析することで、お客さまに寄り添った価値ある提案が可能になる」という考えに至り、さらにデータ活用のための取り組みが進められることになる。

伸び続けるECの把握がDomo導入の出発点

「ECについては現場の危機感も大きかった」と説明するのは、データサイエンス室の白石光弘(しらいし みつひろ)氏だ。

「花王では、販売チャネルの大きな変化を何度か経験しています。スーパーマーケット全盛の時代があり、その後にコンビニエンスストアが浸透し、さらにドラッグストアが大きな存在感を示すようになった。そしてECが台頭するわけですが、花王全体の売り上げと比較すると、ECの売り上げは決して大きくはありません。しかし、着実に伸びていて、お客さまに受け入れられています。一方で、現状のシステムではECにおける販売の詳細が見えにくいという課題があり、『何とかしないとまずいのではないか?』と危機感を持ったわけです」


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花王株式会社 デジタルマーケティング部 データサイエンス室
白石光弘

美術系大学卒業後、ソフトウェア開発会社を経て1992年花王入社。デジタル映像制作に長く携わり、担当作品は多数の企業映像賞を受賞。ACM-SIGGRAPH論文採択。2014年より現職。


このような背景から、ECを中心としたデータの可視化にあらためて取り組むことになる。そのためのツールとして選ばれたのがDomoというわけだ。佐藤氏と白石氏は、Domoを選んだ理由を次のように説明する。

「あるイベント会場でDomoを見たときに、『これは今までのツールとちょっと違うな』と直感的に思いました」(佐藤氏)

「ITやデータのリテラシーが高くない人たちでも使いやすい可視化ツールは何だろうと考えたとき、ほかのどのツールと比べても、Domoがいちばんフィットすると感じました。セールスの人間が見てすぐわかる、さらには現場のスタッフが自力で分析のための仕組みを作る、といった試みがやりやすかったことがポイントでした」(白石氏)

最強のデータ経営:現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に

Domoを見たとき、今までのツールとちょっと違うなと直感的に思った

月次でのディスカッションで現場のニーズを把握

取材時点では、花王においてDomoを主に利用しているのは、従来のシステムではカバーできないデータの可視化が必要な人たちだ。具体的には、グループ内で販売の役割を担う花王グループカスタマーマーケティング株式会社のEC担当者、外部ECサイトのバイヤーとやりとりしているアカウント担当者、さらにデジタル広告の担当者などが挙げられる。

こうした領域でのデータ分析は、従来は個別にデータを取得してExcelで集計・グラフ化するなどの作業が不可欠だった。それには相応の時間が必要になり、業務効率も上がりにくいが、Domoを導入することにより、時間をかけずに必要なデータをスピーディーに参照できるようになった。データサイエンス室の有地拓也(ありち たくや)氏はDomoを次のように評価する。

「Domoはシンプルで見やすいため、EC担当者からも好評です。誰でも簡単に、ひと目で理解できるため、とても使い勝手のよいツールだと感じています」


最強のデータ経営:現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に

花王株式会社 デジタルマーケティング部 データサイエンス室
有地拓也

2017年花王入社。大学では情報メディア教育を専攻し、映像授業におけるプレゼンターの存在感と受講者の学習スタイルの間の学習効果の関連性を研究。現在はデータ解析と可視化で事業を支援する。


ただ、いくら使いやすいツールを導入しても、可視化されたデータをビジネスに活用するという意識が現場に生まれなければ定着はしない。そもそも花王には、前述したようにデータの可視化に取り組んだものの現場に定着しなかった経験もある。

そこでデータサイエンス室では、Domoの定着化のために月次で現場とディスカッションを実施している。データサイエンス室の稲葉里実(いなば さとみ)氏は、その様子を次のように説明する。

「ディスカッションで話すテーマはさまざまです。また、ロジスティクスやセールスなど現場によってもニーズが異なり、『自分はこれが見たい』『これをKPI ※1にしたい』など、多様なリクエストが寄せられます。それを一気に実現するのはかなり難しいので、どのように優先順位をつけて対応するかを議論して進めています」

※1 「Key Performance Indicator」の略。重要業績評価指標を意味する。詳細はCHAPTER 4-1を参照。


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花王株式会社 デジタルマーケティング部 データサイエンス室
稲葉里実

2007年花王入社。IT部門でシステム開発とデータ解析を担当後、マーケティング部門でデータに基づくマーケティング活動を推進。現在はデジタルデータを中心に、分析・可視化・開発に取り組む。


単に可視化するのではなくデータに付加価値を与える

現場からのリクエストに応じる際の優先順位については、当然ながら「ビジネスにおける成果を生むか」という視点で検討が行われる。この視点について、佐藤氏は次のように述べる。

「売り上げを伸ばす視点と、コストを下げる視点の両面で考えます。ただ、前者には数多くの要因があり、不確実性も高い。成果を出すのは容易ではないため、情報の整備やナレッジの蓄積が最優先だと考えています。一方、コストを下げる視点は、日々の業務において具体的な成果を上げやすいと言えます。問題がわかりやすく、操作因子が比較的限られているからです。KPIを決めて追い続ける活動も進めやすく、現場にとっても自分ゴト化しやすいので、周りの意識も変わりやすい。こうした2つの視点で優先順位を検討しています」

また、データサイエンス室の内部でも、週次でディスカッションを行っている。データの収集と集計ロジック、可視化した結果のイメージを見つつ、実務への組み込みとスキルアップを図ることが目的だ。

さらに、データを価値ある内容に"翻訳"するためのアイデアを議論している。この"翻訳"について、佐藤氏は「可視化に何の意味があるのかを考えること」だと言う。

「データを単純に可視化するだけならExcelでもできます。棒グラフや折れ線グラフを作れば、値の大小や時系列での変化は見られるでしょう。しかし、『それに何の意味があるのか?』は、常に疑ってかかるべきです。情報に付加価値を与えるために、可視化する意味を考えて工夫する。それによって、グラフにしただけではわからない事実が浮かび上がることは多々あります。『ふーん』と言って終わってしまう可視化では、意味がないのです」

ECサイトでの検索語句をワードクラウドに

実際にDomoを活用した意味のある可視化の一例として稲葉氏が紹介するのは、検索キーワードをワードクラウドで分析できるようにしたカードだ。ワードクラウドとは、用語ごとの検索回数など、それぞれの用語が持つ何らかの値を用い、値の大小によって文字の大きさや色を変えることでビジュアライズする方法だ。

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ワードクラウドのカード

「パッと見ただけで、何も説明しなくても人に伝わる。そういった可視化がすごく大事だと思っています。用語が大きく表示されていれば自然と視線が向かい、さらに色が違っていれば『大事なのだな』と理解できる。それが検索キーワードの分析にワードクラウドを利用した理由です」

ECにおいては、何らかのキーワードで検索して商品の情報に辿り着くことが一般的だ。このキーワードを分析すれば、顧客がどのようなニーズを持って商品を探しているのかの理解につながるほか、理解したニーズはデジタル広告にも活用できる。そういった意味で、検索キーワードを把握して分析することは極めて重要な活動と言える。

そこで稲葉氏は、あるECサイトと連携し、自社の商品が閲覧される際に検索されるキーワードをワードクラウドで表現したというわけだ。

データを見つめることで間違った方向に進まずに済む

Domoにおけるワードクラウドの作成では、花王がこれまで行ってきたデータ分析のノウハウに基づく工夫も凝らされている。その結果、意味のある可視化ができ、新たな気づきを得られたと稲葉氏は説明する。

「例えば化粧品なら、マーケターとしては『肌がきれいになる』といった自社商品の強みでユーザーを商品に誘導したいと思うかもしれません。しかし、実際のユーザーは『化粧下地』や『ファンデーション』など、化粧品の種類を指すキーワードで検索しています。そうした気づきを得ることで、間違った方向に進まずに正しい地点から議論を進められます」

また、ワードクラウドのカードでは、日本以外の国や地域からの検索を切り分けて表示することも可能になっている。「海外からの検索が多い商品もあれば、日本でのみ検索されている商品もあり、驚くほどの違いがあります。このカードを使えば、そういった傾向の違いも浮き上がってきます」と話すのは白石氏。このように多角的に分析できること、分析者の思い込みや願望を排除して冷静に現状を把握できることは、データを可視化する大きなメリットと言える。加えて、Domoであればカードの作成も簡単だ。

「ワードクラウドを自分で作成しようとすると、用語のサイズや位置などについて、細かく設計しなければなりません。しかしDomoであれば、データを入れるだけで簡単にワードクラウドが作れます。本当に楽ですね」(稲葉氏)

最強のデータ経営:現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に

意味のある可視化から新しい気づきを得て、正しい地点から議論を始められる

特定の商品が過剰に売れている地域をあぶり出した"ひと工夫"

Domoを活用したユニークな分析として、ある日用品の地域別販売数も挙げられる。花王をはじめ、日本メーカーの日用品は中国で人気が高く、一部で買い占めが発生することもあった。白石氏は、こうした状況を把握しようと考えた。

「いくつかの商品について『地域のニーズとは無関係の大量購入が発生しているのではないか?』という懸念は何となくありました。それによって、商品を必要とする本来のお客さまが買えなくなってしまうのは大きな問題です。ただ、それがどれくらいのボリュームなのかも含め、きちんと明確化しないと適切な手を打てません。こうした状況を可視化する必要があると考えました」

白石氏の提案のもと有地氏が作成したのが、当該商品の販売実績を郵便番号の粒度で地域別に可視化したカードだ。有地氏はこのカードについて、次のように説明する。

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地域別販売収益のカード

「Domoの機能を利用して地図上に商品の販売数をプロットすると、特異的な販売数を示す地域がいくつか見つかります。そこで新たな指標として『地域別の人口あたり販売収益』を設け、その値の高低で色分けしました。すると、人口に対して販売収益が大きすぎる、すなわち、住民以外の方が大量購入していると考えられる地域が浮かび上がってきます」

単に地域別で売り上げを見るのではなく、それに人口をプラスして新たな指標を作った点が"ひと工夫"というわけだ。有地氏によれば、その"ひと工夫"の実現にDomoが果たした役割は大きいと言う。

「データサイエンス室で週次のディスカッションを行っていると、『こういう風に可視化すればいいのでは?』というアイデアがたくさん出てきます。先ほどの地域別販売数もそのアイデアの1つですが、Domoであれば、アイデアをカードとしてすぐに実現できる。さまざまなカードをスピーディーに作成して、それをベースにディスカッションを進められるのは、Domoの大きな利点だと感じています」

また、佐藤氏はこの経験を通じて、現場が把握できていないスケールでの事実を明らかにすることも、データサイエンス室ならではのミッションだと感じるようになった。

「当該商品が特定の地域で異常に売れていることに気づいている販売チームもいましたが、それは限られたブランドや地域についての話でした。しかし、データサイエンス室で分析を行えば、一部ではなく全国規模で、異常に売れている商品や地域を見つけられます。このように現場の気づきを私たちがスケールさせ、把握できる事実を拡大していけば、さらに生産的に業務を進められるでしょう。その点こそがデータサイエンス室の強みであり、現場の課題を把握しつつ、私たちが打って出たほうがいいところを見極めてデータ分析に取り組んでいます」

アイデアをすぐに形にして議論に生かせるのがDomoの利点

ミーティングの場で即座に分析できることに意義がある

Domoの導入は、分析のみならずデータサイエンス室と現場とのコミュニケーションをも変えたと言う。その点を強調するのは稲葉氏だ。

「私たちデータサイエンティストの仕事は、数年前と比べて変わってきたのではないかと感じています。以前であれば、現場から『こういうデータがほしい』、あるいは『こういう施策を実行するにはどうすればいいのか?』といった分析依頼を受けると、Excelでグラフを作成してPowerPointに貼り付け、その内容をもとに打ち合わせをするというステップを踏んでいました。しかし、Domoを導入してからは、打ち合わせで『こういう風にデータを表現できませんか?』と言われたときに、『これでどうでしょう』と、その場でカードを作成して見せられるようになりました。コミュニケーションが迅速になり、実際にデータを見ながら次の施策を検討できるなど、よりスピーディーで発展的な議論が可能になっています」

さらに稲葉氏は、「意味のある可視化を作るためのフレームワークや表現の種類がそろっている」点もDomoの大きなメリットだと話す。表現の種類が豊富なツールはほかにもあるが、Domoは単に種類が多いのではなく、必要なものがしっかり取りそろえられている印象があるとのことだ。

ビジネスのゴールはツールの利用ではなく課題解決

ここまで、花王のデータサイエンス室におけるDomoの利用例について聞いてきたが、彼らにとってDomoの利用そのものがビジネスのゴールなわけではない。あくまでもビジネス課題の解決がデータサイエンス室のミッションであり、そのためにDomoを利用しているにすぎないのだ。それを象徴する発言を、白石氏と佐藤氏から聞くことができた。

「Domoは魅力的なツールですが、Domoを使わないケースというのも実際には多いです。まずは使わずに分析をする、分析結果を相手に見てもらう、そしてディスカッションする。大切なのは現場の課題を吸い上げ、解決することであり、そのために私たちも『まずはディスカッションありき』で、何をどう可視化すべきか、どういった工夫が必要かを考えます。その手段としてDomoが適当であれば使う、という流れです」(白石氏)

「私たちのチームでは、『このクエリだけ修正して』『こういうカードだけ作って』というやりとりは"なし"にしています。各メンバーが現場の課題に自ら気づき、ディスカッションを通じて、必要であればDomoでカードを作る。そのようなオールラウンダーとして活躍することを目指しています」(佐藤氏)

解決すべきビジネス課題に向き合い、そこでDomoが使えるのであれば活用すればよく、そうでなければ別の手立てを考える。データをビジネスに活用する上では、ツールに振り回されることなく、現場の課題に忠実に向き合う姿勢が重要ということだ。そして佐藤氏は、今後の予定について次のように語ってくれた。

「注力する領域としては、ECやデジタル広告が中心となることに変わりはないでしょう。ただ、今後はグローバルを特に強く意識しなければならないと感じています。ECにしても広告にしても、グローバルのプレイヤーが数多く存在していますからね。私たちの活動も、さらにスケールさせていきたいと考えています」

この取材を通じて強く感じたのは、社内横断の部門であるデータサイエンス室のメンバーが現場と密に連携し、ビジネス課題にしっかりと向き合っている点だ。現場との密なコミュニケーションは、価値あるデータ分析の原動力となる。ビジネスにおけるデータ活用を推進していきたい企業にとって、こうした花王の姿勢は大いに参考になるはずだ。

最強のデータ経営:現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に

可視化だけして終わり、ではいけない。現場が持つビジネス課題の解決が最優先

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