CHAPTER 3-1
目的の理解と初期プロジェクト

Domoの導入をスタートするための初期プロジェクトの考え方

社内のデータ活用を推進するため、Domoの導入を開始するときには、その目的をあらためて理解した上でプロジェクトを発足させることが重要だ。目的を理解する4つのステップと、初期プロジェクトの考え方を整理する。

最強のデータ経営:Domoの導入をスタートするための初期プロジェクトの考え方

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本コンテンツは、インプレスの書籍『最強のデータ経営 個人と組織の力を引き出す究極のイノベーション「Domo」』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「はじめに」「おわりに」は以下のリンクからご覧ください。
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導入の目的を4ステップで理解する

CHAPTER 2-1以降の事例を通して、Domoによってどのような社内変革がもたらされるのか、具体的に理解できたと思う。本節では、実際にDomoを導入して同様の変革、つまり「データドリブン」な組織の実現を目指すためのプロジェクトを実施するにあたり、必要な知識をまとめていく。

そこであらためて、根本的な問いかけをしたい。みなさんは自社にDomoを導入することで、何を実現したいのだろうか? この問いに答えるのは簡単なようで、実は言語化するのが難しい。そこで筆者が提案したいのが、Domoを導入する目的を下図の4つのステップで考えることだ。

最強のデータ経営:最強のデータ経営:Domoの導入をスタートするための初期プロジェクトの考え方

Domoの導入で考えるべき4つのステップ

ビジネスの課題に答えられるのが第一

営業効率が上がらない、実施したキャンペーンの反応が悪い、ECの売り上げが思うように伸びない......。そうしたビジネスの課題の解決策を考えるとき、データは非常に多くの示唆を与えてくれる。1つ目のステップ「ビジネスの課題に答えられる」が意味するのは、まさにその点だ。

英語では「Business Question」と言うが、自社におけるビジネスの課題を特定し、データに基づいて常に答えられるようにすることは、Domoの導入における最初の目的となる。例えば「自社ECの目標達成状況は現在どのようになっているのか?」などがビジネスの課題の典型例だ。

2つ目のステップ「意思決定ができる」は、課題にどう対処するのかを判断することだ。そのためには単にデータが見られるだけでは不十分で、課題に直結する「指標」を詳細かつリアルタイムに把握することが重要になる。

自社ECの目標達成状況であれば、まず「日次・週次の予実」を指標化し、それをモニタリングすることで意思決定が可能になるだろう。具体的には、複数のファイルやシステム、ツールに分散している売り上げとコスト、予算のデータを集約するともに、それらを計算して「日次・週次の予実」を求めるといったデータの準備を行うことになる。もちろん、実施にはDomoがもっとも適している。

なお、この指標はいわゆるKPIにあたり、関連するKGI ※1、CSF ※2と併せて、プロジェクトが走り出す前に精査しておく必要がある。精査にあたっての視点はCHAPTER 4-1で解説しているので、参考にしてほしい。

※1 「Key Goal Indicator」の略。重要目標達成指標を意味する。
※2 「Critical Success Factor」の略。重要成功要因を意味する。

意思決定に基づいてアクションがとられる形に

3つ目の「意味のあるアクションがとられる」は、意思決定に基づいて効果的な施策を迅速に打つことだ。これはCHAPTER 1-4で述べた「アクショナブルな可視化」を指している。

例えば、自社ECの「日次・週次の予実」をアクションが促される形で可視化しておけば、それを見たEC担当者が現状の売り上げ進捗では月次予算が未達となることに気づき、デジタル広告の追加出稿による集客強化などの施策を打てるようになる。これにもDomoが果たす役割が大きく、予算未達の可能性をアラートで知らせることもできる。

そして4つ目の「ビジネス価値が生まれる」が、Domoの導入における最終的なゴールとなる。加えて、本当に意思決定が迅速に行われたのか、とられたアクションが成果につながったのかを評価し、PDCAサイクルを回していくことも忘れてはならない。

価値を生むプロジェクトを小規模に実施する

下図は、ここまでの4つのステップをDomo導入の初期プロジェクトの流れに盛り込んだ例だ。各工程が必ずしも4つのステップに当てはまるわけではないが、まずはステップのそれぞれを定義し、プロジェクトが進む中で常に意識するといいだろう。

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Domo導入の初期プロジェクトの流れ

また、プロジェクトはスモールスタートとし、1つのプロジェクトが5週間程度で完了するのが望ましい。プロジェクトの内容も、それが可能な範囲で設計するのがおすすめだ。自社ECでの例をプロジェクトのスコープ ※3としてまとめると下図のようになる。

※3 本来は「視野」の意味。プロジェクトマネジメントにおいては、そのプロジェクトで実施する内容や範囲を定義したもの。

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初期プロジェクトのスコープの例

そして、こうしたプロジェクトを複数回実施していくのが、Domoの導入を成功させる近道となる。小さな成功体験を繰り返し、「KAIZEN」を継続的に行うことで、Domoの価値が社内で理解されていくだろう。CHAPTER 3-2以降では、プロジェクトの推進において知っておきたいDomoの機能面を見ていく。

なお、初期プロジェクトにおいては、Domoまたは認定パートナーによるコンサルティングを受けるとともに、プロジェクトを主導してもらうことをおすすめしたい。外部のコンサルタントが持つ豊富な事例に基づくノウハウを享受でき、第2、第3のプロジェクト以降、そのノウハウを自社主導で推進する上で生かすことができる。

本コンテンツの記事一覧には、Domoの無償トライアルと認定パートナーの情報を掲載している。まずはトライアルで検証しつつ、コンサルティングが必要かどうかを判断してもいいだろう。

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複数回のプロジェクトで成功体験を繰り返す

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