003 サイト改善の考え方
Web解析でサイトを改善するプロセスを知る
Web解析の現場やGoogleアナリティクスでは、サイトにおける目標の達成のことを「コンバージョン」と呼びます。サイト改善とは、このコンバージョンを増加させることにほかなりません。そして、そのためのプロセスとして最初に頭に入れておきたいのが「ファネル」という考え方です。
ファネル(Funnel)は「漏斗」(じょうご)のことで、サイトを訪問したユーザーが徐々に絞り込まれて、その一部だけがコンバージョンに至ることを端的に表します。例えば、ECサイトであれば以下のようなファネルを描けます。
ECサイトにおけるファネルの例
サイトを改善するカギは、それぞれの段階でのユーザーの脱落を防ぐ施策を提案し、社内の同意を得て実行していくことにあります。図では、各段階でユーザーが40%ずつ脱落していった場合の人数を記載していますが、この40%を30%に改善しただけでも、コンバージョンに至る数は24人まで増加します。この考え方をベースに、サイト改善に取り組んでいきましょう。
ポイント
- ユーザーが自社サイトをブラウザーで表示することを「訪問」または「セッション」と呼びます。訪問やセッションの回数を「訪問数」または「セッション数」と呼びます。
- 訪問したユーザーが何もせずにサイトを去ることを「直帰」と呼びます。また、直帰しなかったセッションのことを「有効訪問」と呼ぶことがあります。
- コンバージョン(Conversion)は「CV」と略すことがあります。
- ECサイトやリードジェネレーションサイトでコンバージョンを増やすには、サイトへの訪問数を増やす「量的な改善」と、ショッピングカートや資料請求フォームなどの入力を最後まで行う率(完遂率と呼びます)を高める「質的な改善」の2つの方向性があります。
サイトの成果を向上させるには、ファネルの考え方が重要です。ファネルからの脱落を少なくすることが、すなわち、サイトを改善することと言えます。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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