005 サイト改善の考え方

マクロで要改善点を見つけ、ミクロで改善施策を引き出す

Googleアナリティクスでは、非常に細かいレベルまでセグメントが行えます。しかし、いきなり細かいレベルのセグメントを見て、その改善にこだわるのはおすすめできません。小さなセグメントではサイト全体に対する改善のインパクトも小さくなり、成果に見合わない手間や時間、費用をかけることになりかねないからです。

まず、大きなセグメントから改善すべき点を特定し、そのための施策を見つけるヒントとして、小さなセグメントに目を向けてみましょう。

大きなセグメントの例

流入元セッション数コンバージョン率
自然検索5003.0%
リスティング広告6,0001.5%
ダイレクトトラフィック1,5002.0%
参照トラフィック2,0002.0%
合計(サイト全体)10,0001.8%

小さなセグメントの例

リスティング広告のキーワード分類インプレッションシェア損失率セッション数コンバージョン数コンバージョン率
指名系キーワード(ブランド名)0%400153.8%
指名系キーワード(商品名)10%600254.2%
商品アイテム系キーワード20%3,500150.4%
悩み系キーワード40%1,500352.3%
合計(リスティング広告全体)-6,000901.5%

ポイント

  • 表の大きなセグメントの例は、ワザ004の図と同じデータを記載しています。小さなセグメントの例は、リスティング広告をさらに細かいレベルまでセグメントしたデータです。
  • 小さなセグメントでは、悩み系キーワードのコンバージョン率が高い一方で、インプレッションシェア損失率(広告が表示される可能性があった検索に対して、実際には広告が表示されなかった割合)が40%と比較的高くなっています。よって、リスティング広告のパフォーマンスを改善するには、「悩み系キーワードにおける広告文の修正、リンク先ページの修正、上限CPCの設定などを実施し、インプレッションシェア損失率を低減する」という施策が有効であると考えられます。
  • このように、大きなセグメントのパフォーマンスを改善するには、それをそのまま見るのではなく、さらに小さく分割したセグメントで分析し、施策を立案することが重要です。

要改善点を見つけるには大きなセグメント、改善施策を引き出すには小さなセグメント、と覚えましょう。