004 サイト改善の考え方
サイト全体の合計や平均を見ず、セグメントを見る
多くのサイトでは、予算という形で定量的な目標が設定されていると思います。例えば、ECサイトでは「2018年4月の売上予算:1,500万円」といった目標があるでしょう。このとき、売り上げの見通し金額が1,000万円であったら、サイト改善が必要な状況だと言えます。
ECサイトの売り上げは「セッション数×コンバージョン率×平均単価」で概算できるため、サイト改善ではセッション数とコンバージョン率を上げればいい、ということはわかります。しかし、サイト全体のセッション数の合計や、コンバージョン率の平均に着目していては、改善のアクションは生まれません。なぜなら、改善のために何をすればいいのか、具体的な施策を引き出すための仮説を立案できないからです。
サイト改善は以下のように、全体の合計や平均から部分=「セグメント」を取り出すところから始まります。それぞれのセグメントにおけるセッション数やコンバージョン率を確認し、セグメントごとに仮説を立案することで、改善をスタートさせることができます。
サイト全体からセグメントを取り出す例
ポイント
- 上記の図ではユーザーの流入元をセグメントとして取り出していますが、ほかにも「新規ユーザーとリピーター」「ランディングページ」「地域」などの軸があります。
- この図におけるセグメントでは、自然検索(検索エンジンからのアクセス)のコンバージョン率が高いのに対して、セッション数は少ないことがわかります。よって、「自然検索のセッション数を増やせば、売り上げの改善に大きく寄与する」という仮説が成り立ちます。
サイト全体の合計値や平均値は参考にはなりますが、それだけを見ていても、サイト改善のアクションは立案できません。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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