029 高度なトラッキング
有償版のGoogleアナリティクスについて理解する
多くのWeb担当者が利用しているのは無償版のGoogleアナリティクスですが、大企業での利用を想定した有償版の「Googleアナリティクス360」もあります。費用は月額130万円から、最低契約期間は1年で、無償版との主な違いは以下の通りです。
人的サポートの提供
導入・利用について相談できるお客さま窓口や、緊急時の時間外対応を含むサポートが提供されるほか、社内の教育トレーニングも含まれています。
データ処理の向上
無償版では「1プロパティあたり1か月1,000万ヒット」までの制限がありますが、有償版では「10億ヒット」まで許容されます。また、データの更新頻度は「24〜48時間」から「4時間」に短縮され、サンプリングされていないレポートを取得できます。
サービスレベルの保証
データの収集やレポートの可用性のサービスレベル(品質)が保証されます。もしデータの抜けやサービスのダウンが発生した場合は、一部返金されます。
カスタムディメンションとカスタム指標の拡充
無償版におけるカスタムディメンションとカスタム指標の上限は20個ですが、有償版ではそれぞれ200個まで利用可能になります。
Google BigQueryへの自動エクスポート
生データに近いサイト利用状況が毎日、自動的に「Google BigQuery」にエクスポートされます。BigQueryはGoogleのデータウェアハウスで、大量のデータをクラウドに保管できます。
無償版にはないレポートの提供
「データドリブンアトリビューション」「カスタムファネル」といった、無償版にはない特殊なレポートを利用できます。
ポイント
- Googleアナリティクス360は、統合Webマーケティング支援ソリューション「Googleアナリティクス360スイート」の中核サービスでもあります。スイートのほかのサービスには「タグマネージャ360」「オプティマイズ360」「アトリビューション360」があり、GoogleまたはGoogleアナリティクス360セールスパートナーから購入できます。
無償版と有償版では大きな価格差がありますが、その価格差ほどには機能差は大きくない、というのが筆者の印象です。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。