047 eコマースの設定

「何が、いくつ、いくらで売れたのか」を把握する

ECサイトのコンバージョンは当然、購入完了ですが、同時に「何が、いくつ、いくらで売れたのか」という要素も関連してきます。筆者はこれらをEC三要素と呼んでいます。

問い合わせや資料請求をコンバージョンとするリードジェネレーションサイトでは、基本的に1件のコンバージョンの価値は変わりません。しかし、ECサイトでは購入された商品によって、1件のコンバージョンの価値が何十倍も異なる、ということが起こりえます。

EC三要素をGoogleアナリティクスに記録するのが「eコマーストラッキング」です。eコマーストラッキングは、ビューの設定から機能を有効にするとともに、ECサイトのシステムが稼働しているサーバーから、購入完了ページに以下のようなタグを動的に書き出すことで実現します。

ga('require', 'ecommerce');

ga('ecommerce:addTransaction', {
  'id': '1234',
  'affiliation': 'Dekiru Clothing',
  'revenue': '3540',
  'shipping': '300',
  'tax': '240'
});

ga('ecommerce:addItem', {
  'id': '1234',
  'name': 'Dekirumon T-Shirt',
  'sku': 'DD12345',
  'category': 'Apparel/T-Shirt',
  'price': '3000',
  'quantity': '1'
});

ga('ecommerce:send');

1:eコマーストラッキングの実装に必須のコマンド。最初の行にそのまま入力する
3:ecommerce:addTransactionコマンド。トランザクション(購入)を計測するために必須となるため、そのまま入力する
4:トランザクションごとにユニークな値。注文番号などが該当する
5:affiliation値。トランザクションが発生したショップやアフィリエイトを指定する
6:revenue値。トランザクションで発生した収益額や販売額を指定する
7:shipping値。トランザクションで発生した送料を指定する
8:tax値。トランザクションで発生した税額を指定する
11:ecommerce:addItemコマンド。購入された個別商品の詳細を計測する
13:name値。商品名などを指定する
14:sku値。SKU(商品識別の最小単位)のコードを指定する
15:category値。商品カテゴリなどを指定する
16:price値。商品の単価を指定する
17:quantity値。商品の数を指定する
20:ecommerce:sendコマンド。eコマースデータをGoogleアナリティクスに送信する

加えて、ビューの設定においてeコマーストラッキングを有効にします。

使用画面管理 > eコマースの設定

「何が、いくつ、いくらで売れたのか」を把握する - できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

小規模とはいえシステムの改修が必要になるため、Web担当者だけで対応するのは難しく、社内調整などに手間がかかるでしょう。しかし、ワザ046で解説したように購入完了数がわかるだけでは、投資対効果の精緻な補足や併売商品の分析などが行えないため、「成果と施策の紐付け」において不十分です。ECサイトではぜひeコマーストラッキングを実装しましょう。

ポイント

  • ショッピングカートシステムとして外部ASPを利用していても、大手であれば対応してくれる場合が多いようです。もし新規に外部のカートシステムを採用するのであれば、Googleアナリティクスのeコマーストラッキングに対応していることを条件として、ASPを選定するといいでしょう。
  • eコマーストラッキングによって計測できる購入完了は「トランザクション」と呼ばれ、通常の目標(コンバージョン)とは区別されます。

ECサイトでは1件のコンバージョンの価値が大きく違う場合があります。この価値を含むEC三要素を可視化するのがeコマーストラッキングです。