057 プロパティの基本設定
「ユーザー分析」の設定はむやみにオンにせず様子見する
2017年6月ごろ、プロパティの設定項目に「ユーザー分析」が追加されました。標準ではオフになっており、現状、そのままで差し支えありません。
管理 > プロパティ設定
ユーザー分析をオンにすると、以下のようなことが起こります。デモアカウント(ワザ021を参照)ではオンになっているので、あわせて確認してみてください。
ユーザーサマリーにある主要指標が変化する
筆者が主要指標と位置づけている、[ユーザー]メニューにある[概要]レポートに含まれる以下の指標が変化します。
- 削除:新規セッション率
- 追加:新規ユーザー、ユーザーあたりのセッション数
ユーザー > 概要
各種レポートの指標にユーザーが追加される
例えば、[集客]メニューにある[概要]レポート(集客サマリー)などに「ユーザー」が加わり、「新規セッション率」と入れ替わります。
それほど大きな変化ではありませんが、気をつけるべきことがあります。例えば、1人のユーザーがレポート期間において、複数のチャネル(Organic SearchとReferral)から訪問したとします。このとき、各チャネルのユーザーはOrganic Searchが「1」、Referralが「1」の合計「2」になりますが、全体のユーザーとしては「1」になります。セッションとは異なり、1人が複数のチャネルから訪問しても全体では「1ユーザー」と計測されるためです。
以下はデモアカウントの[チャネル]レポートですが、各チャネルのユーザーの合計は「1,623+543+488+68+58+51+26=2,857」であり、全体の「2,810」とは一致していません。
集客 > すべてのトラフィック > チャネル
ユーザー分析をオンにしても、今のところは、特に新しい知見が引き出せるメリットはないようです。ただ、Googleがこうした「ユーザー単位」での分析を推し進める背景には、「ECサイトで買い物をするのも、リードジェネレーションサイトで資料請求をするのも、つまりは"人"である」という考え方があるように思います。今後の動向に注目しましょう。
ポイント
- ユーザー分析はプロパティ単位の設定項目なので、変更するとそのプロパティの配下にあるすべてのビューに影響します。複数人でGoogleアナリティクスを利用している場合は、より慎重に設定し、変更する場合は関係者に事前に通知しましょう。
- ユーザー分析はオンにしたあと、すぐにオフに戻すこともできます。暫定的に変更し、試しに数値を見てみることは可能です。
主要指標が変化するため、何の意図もなくオンにするのは禁物です。有効に活用できるようになるまで、オフのままにしておきましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。