064 イベントの設定

カートへの追加やファイルのダウンロードを計測する

Googleアナリティクスは、標準では「ページの閲覧」を計測します。これはページの実態であるHTMLファイルのソースにトラッキングコードが挿入されているからなのですが、一方で、Web担当者としては以下のようなページの閲覧以外のサイト利用状況も把握したいはずです。

  • PDFファイルなどのダウンロード
  • 商品のカートへの追加
  • 成果と見なせる外部サイトへのリンク

このような、ページの閲覧としては表れないユーザー行動を計測するのに用いられるのが「イベント」です。ユーザーの特定のアクションからイベントを発生させ、そのイベントの発生件数を捕捉するため、「イベントトラッキング」と呼ぶこともあります。

GoogleアナリティクスのトラッキングコードをHTMLソースに挿入している場合、イベントトラッキングはHTMLソースのアクションに関係する箇所に、「onclickイベントハンドラ」や「onsubmitイベントハンドラ」と呼ばれるコードを追加することで実現します。

PDFファイルのダウンロードをイベントとして計測する

ファイルのダウンロードをイベントとして計測するには、ファイルへのリンクを表す<a>タグにonclickイベントハンドラを追加します。

イベントを送信していないタグ

<a href="/catalog.pdf">商品カタログのダウンロード</a>

イベントを送信するように設定したタグ

<a href="/catalog.pdf" onclick="ga('send', 'event', 'download', 'pdf', 'catalog.pdf',1);">商品カタログのダウンロード</a>

1:<a>タグのonclick属性にsendコマンドを追加し、event以降の4つの値を送信する

このリンクがクリックされるたびに、以下のようなデータを持つイベントとして計測されます。値の詳細や指定の例は、以下の表「イベントトラッキングで指定できる値」を参考にしてください。

  • カテゴリ:download
  • アクション:pdf
  • ラベル:sample.pdf
  • 値:1

商品のカートへの追加をイベントとして計測する

商品詳細ページで「カートに入れる」ボタンがクリックされたことを検知して、Googleアナリティクスにイベントを送信するには、<form>タグにonsubmitイベントハンドラを追加します。

イベントを送信していないタグ

<form name="addtocart" method="post" action="/addcart.php?id=1234">
<input type="button" value="カートに入れる">
</form>    

イベントを送信するように設定したタグ

<form name="addtocart" method="post" action="/addcart.php?id=1234" onsubmit="ga('send', 'event', 'cart', 'add');">
<input type="button" value="カートに入れる">
</form>

1:<form>タグのonsubmit属性にsendコマンドを追加し、event以降の2つの値を送信する

onsubmit属性に追加した「ga('send', 'event', 'cart', 'add');」のうち、「ga('send', 'event',」まではそのまま記述します。ほかには以下の表にある最大4つの値を指定できますが、内容は自由です。同種のイベントは同じ値になるように整理しておきましょう。

イベントトラッキングで指定できる値

順序種類説明
1Category必須カテゴリ。操作対象となるオブジェクトなどを指定するbutton, cart
2Action必須アクション。操作の種類などを指定するclick, add
3Label省略可ラベル。操作の分類を指定するcatalog.pdf, amazon
4Value省略可数値。操作のカウント数を整数で指定する1

ポイント

  • この設定の結果は、[行動]メニューの[イベント]配下にあるレポートで確認できます。
  • GoogleアナリティクスのトラッキングコードをGoogleタグマネージャ経由で挿入している場合は、Googleタグマネージャでクリックをトリガーとしたタグを作成してイベントトラッキングを行います(ワザ065を参照)。
  • 計測したいリンクが大量にあり、onclickイベントハンドラを追加していくのが難しい場合も、Googleタグマネージャを利用します。

ページの閲覧以外のユーザーアクションを計測するには、イベントトラッキングを活用しましょう。