067 仮想ページビューの設定
URLが変化しないフォームでのページ遷移を捕捉する
ECサイトの購入導線やリードジェネレーションサイトの資料請求フォームで、表示されるページの内容はカートページ→決済情報ページ→購入完了ページと変化しているのに、URLが変化しないサイトを見かけることがあります。GoogleアナリティクスではURLの「サイトのホスト名以降の部分」をページと認識するため、そうしたサイトではカートページから購入完了ページまでが同一のページとして認識され、目標や目標到達プロセスを適切に設定できません。
この問題は、トラッキングコードをカスタマイズし、各ページを識別する文字列をトラッキングコードに動的に含めることで解決できます。ブラウザーに表示されるURLとは異なる任意のURLをGoogleアナリティクスに送信することで、実際のURLが変わらなくても、異なるページとして認識させる仕組みです。例えば、カートページから購入完了ページまでが「cart.php」で変わらない場合、購入完了ページのトラッキングコードを以下のようにします。
7:通常のトラッキングコードでは「ga('send', 'pageview')」だが、3つ目の値を追加することで「/cart/thanks.html」というURLだと認識される
ポイント
- この設定は、実際には存在しないURLのページビューを送信することから、「仮想URL」や「仮想ページビュー」と呼ばれます。
- 各ページの目標、または目標到達プロセスとしての設定は、仮想URLを対象に行います。また、ビューに対するフィルタも仮想URLを対象に行う必要があります。
- PDFファイルなどのダウンロードをイベントではなく、ページビューとして計測したい場合にも応用できます。
フォームが同一URLで遷移する場合、そのままでは計測できませんが、仮想ページビューをうまく使えば解決できます。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。