070 複数サイトの解析
複数のドメインを統合して1つのサイトのように解析する
解析対象サイトに複数のドメインがあり、それらを1つのまとまりとして計測したい場合は「クロスドメイントラッキング」を行います。例えば、ブランディングサイトとECサイトを別ドメインで展開している場合や、ショッピングカートとして外部ASPのサービスを利用している場合は、複数のドメインを行き来する導線が生まれます。
複数のドメイン間の導線とクロスドメイントラッキングの例
- カートに追加した商品を確認するときや、決済を始めるときの導線
- カートにほかの商品を追加するときや、購入完了後に問い合わせをするときの導線
これらは1つのサイトとして解析しないと、主に参照元の把握において問題が生じます。上記の例でいえば、本体ドメインのトップページにYahoo!の検索結果ページからの訪問があったとすると、その時点では自然検索トラフィックになります。しかし、そのユーザーがカートドメインに遷移すると、impress.co.jpからの参照トラフィックに書き換わります。結果、ユーザーが購入を完了しても、「Yahoo!から本体トップページにランディングした自然検索トラフィックによって発生したコンバージョン」としては捕捉できなくなるわけです。
こうした問題はクロスドメイントラッキングで解決できますが、以下の設定が必要になります。
トラッキングコード、またはGoogleタグマネージャのカスタマイズ
異なるドメインを統合するためのコードを実装します(ワザ071を参照)。
URLをホスト名+リクエストURLに書き換えるフィルタの適用
異なるドメインの「/index.html」が同じページとして認識されるのを防ぎます(ワザ072を参照)。
クロスドメインの相手先となる参照元の除外
本来の参照元がクロスドメインの相手先によって上書きされるのを防ぎます(ワザ073を参照)。
決済システムのドメインを別々のサイトとしてトラッキングしても、解析上の意味はありません。クロスドメイントラッキングを実施しましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。