074 複数サイトの解析
複数のドメインの個別・統合分析には複数のプロパティで対処する
コーポレートサイトとECサイトのように2つの異なるドメインを持っている場合、コーポレートサイト、ECサイトを独立して分析するのと同時に、コーポレートサイトとECサイトを統合した解析も行いたい、というニーズもあります。この場合のベストプラクティスについて考えてみましょう。
1つのプロパティでクロスドメイントラッキングを実装する
同一のトラッキングIDを持つコードをそれぞれのサイトに挿入し、プロパティ配下に3つのビューを作成します。そして、3つのビューのそれぞれに異なるフィルタを適用します。
- ビュー①:コーポレートサイトのホスト名のみに一致するフィルタを適用する
- ビュー②:ECサイトのホスト名のみに一致するフィルタを適用する
- ビュー③:フィルタを適用しない
このようにすると、独立した解析はビュー①、②で行い、統合した解析はビュー③で行うという運用ができ、セッションやページビューなどの主要指標、および大部分のディメンションについても正しく取得できます。ただし、以下のような問題も発生します。
- コーポレートサイトにだけ訪問したことのあるユーザーが、次の訪問で初めてECサイトを訪問した際、ビュー②においてリピーターとしてカウントされる
- コーポレートサイトにランディングしてECサイトに遷移したユーザーの参照元が、ビュー②においてコーポレートサイトへの訪問時のもので記録される
単独サイト用とクロスドメイントラッキング用のプロパティを併用する
独立・統合した解析をできるだけ正確に行うには、プロパティを3つ作成して使い分けるのが適当です。以下のような運用方法であれば、ビューで運用する場合の問題を解決できます。この方法では、1つのサイトに2種類のプロパティのトラッキングコードを実装します。
- プロパティ①:コーポレートサイトと紐付ける
- プロパティ②:ECサイトと紐付ける
- プロパティ③:コーポレートサイトとECサイトに紐付け、クロスドメイントラッキングを実装する
通常、プロパティは1つのサイト(ドメイン)に1つですが、クロスドメイントラッキングでは例外的な対応が効果的です。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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