087 重要な指標
「離脱率」を正しく理解する
「離脱」とは、ユーザーがサイトの閲覧をやめる(セッションが終了する)ことを指します。離脱率は直帰率と似ていますが、直帰率はセッションに対する指標、離脱率はページに対する指標です。ユーザーはいつか必ずサイトを離脱しますから、セッションに対する離脱率は100%となり、意味を持ちません。
離脱率は、そのページで離脱した数を、そのページのページビュー数で割った数値をパーセントで表します。例えば、以下のような2つのセッションがあった場合、article.htmlは離脱数が1、ページビューが2であるため、離脱率は50%です。
- セッションA index.html→special.html→article.html
- セッションB article.html→index.html→special.html
離脱率が高いから悪い、低いから良いとは、一概には言えません。以下のようなケースで利用される指標なので、参考にしてください。
メディアサイトで記事が複数ページから構成されている
記事が複数ページにわたっており、ページ送りで2ページ目以降を読ませる場合、離脱率が高いことは1ページ目があまりおもしろくない、もしくは記事のテーマに関する記述が1ページ目で完結しており、2ページ目を読んでもらえなかったことを意味します。
ECサイトなどのFAQコンテンツで回答が個別のページに分かれている
個別の回答ページの離脱率が高いことは、記述されている回答で問題が解決した可能性が高いと考えられます。むしろ離脱率が高いほうが望ましく、そうでない場合は、ユーザーが問題を解決できていない可能性があります。
ページの読み込み速度と相関している
ページの読み込み速度が遅い場合、ユーザーはそのページで離脱することが多くなるのは直感的に理解できると思います。「ページの読み込み速度がユーザビリティを損ねているのではないか?」という質問に対する答えが離脱率から得られます。
ポイント
- 離脱率は[行動]メニュー配下のレポートの指標としてよく登場し、離脱数と離脱率は[離脱ページ]レポートで並べて表示されます。
- 直帰数は離脱数に含まれます。
離脱率は一部のサイトを除き、それほど重要な指標ではありませんが、直帰と離脱はしっかり区別できるようにしましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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