088 重要な指標
「コンバージョン率」を正しく理解する
Googleアナリティクスにおいて目標(コンバージョン)の設定が非常に重要である以上、「コンバージョン率」は言うまでもなく重要指標の1つとなります。しかし、その割に正しく理解していない人が多いように思います。コンバージョン率の計算は以下の通りに行われます。
- 「コンバージョン数÷セッション数」で求められる
- 母数はセッションであり、ユーザーやページビューではない
- 1つのセッションでは、1つの目標に対するコンバージョンは1回しかカウントされない
コンバージョン率を正しく理解するための例として、以下のようなコンバージョンのシナリオを考えてみましょう。色が付いたthanks.htmlの表示が目標設定されているとします。
コンバージョンが発生したシナリオの例
ユーザーAはセッション中に2回thanks.htmlを表示していますが、1セッション中に行われているため、コンバージョンは1回と見なされます。よって、全体のコンバージョン数は、ユーザーAがもたらしたセッションと、ユーザーDが午後にもたらしたセッションから発生した計2回となります。
また、ユーザーDは2回訪問しているため、全体のセッション数は計5回です。よって、コンバージョン率は2÷5=40%となります。
こうして求められたコンバージョン数(目標の完了数)やコンバージョン率は、[コンバージョン]メニューの各レポートで確認できます。
コンバージョン > 目標 > 概要
ポイント
- すべてのセッションは「コンバージョンが発生したセッション」と「コンバージョンが発生しなかったセッション」のどちらかに二分されます。1つの目標に対して「コンバージョンが2回発生したセッション」という分類は存在しません。
- 複数の異なる目標であれば、1セッションで2回のコンバージョンが発生することはありえます。例えば「メルマガ登録」と「会員登録」が別々に目標設定されており、あるセッションで両方を完了した場合が該当します。
- 目標とは異なり、eコマーストラッキングのコンバージョンである「トランザクション」は1セッション中に複数回発生すれば複数回が計測されます。
- コンバージョン率は「CVR」(Conversion Rate)とよく略されます。また、コンバージョン率を高める活動のことを「CRO」(Conversion Rate Optimization)、もしくは「コンバージョンレート最適化」と呼ぶことがあります。
Googleアナリティクスにおけるコンバージョン率の母数はセッションです。ユーザーではないので間違えないようにしましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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