092 重要な分析軸

「カスタムディメンション」を正しく理解する

Googleアナリティクスでは、標準で用意されているディメンション以外にも、ユーザー(Web担当者)が独自のディメンションを定義してセグメントの切り口にできます。この追加的なディメンションのことを「カスタムディメンション」と呼びます。

カスタムディメンションは1つのプロパティに最大20個まで作成でき、作成した順に1~20の「インデックス」が付与されます。カスタムディメンションにデータ(値)を格納するには、Googleアナリティクスのトラッキングコードをカスタマイズするか、Googleタグマネージャのタグで設定を行いますが、このインデックスを指定することで「どのカスタムディメンションにデータを格納するか」が決定されます。

また、作成時には「スコープ」(画面表記では「範囲」)と呼ばれる性質を選択できます。スコープによって組み合わせられる指標が異なってくるので、慎重に検討すべきです。各スコープの意味は以下の表の通りです。

カスタムディメンションのスコープの種類

スコープ名説明
ヒット値がヒット単位で維持される。例えば、ワンピースの商品ページが閲覧された場合に「女性用商品」、男性用の靴が閲覧された場合に「男性用商品」という値をカスタムディメンションに格納すれば、女性用商品ごと、男性用商品ごとにページビューを把握できる。
セッション値がセッション単位で維持される。あるセッションでユーザーがログインした場合に「ログインセッション」という値をカスタムディメンションに格納すると、同ユーザーが次回訪問したときには、その値は引き継がれない。
ユーザー値がユーザー単位で維持される。あるユーザーに対して「会員ランクA」という値をカスタムディメンションに格納した場合、同ユーザーの次回訪問では何もしなくても「会員ランクA」として捕捉される。
商品値が商品単位で維持される。拡張eコマースが有効な場合のみに利用可能。

カスタムディメンションの代表的な利用例としては、セッションスコープによる「ログインセッションと非ログインセッションの区別」があります(ワザ061を参照)。カスタムディメンションの作成方法についても、そちらを参照してください。

ポイント

  • カスタムディメンションをレポートで利用するには、カスタムレポートを作成します(ワザ169を参照)。本書の第9章「高度な分析」でも、カスタムディメンションの利用例を紹介しています。

Googleアナリティクスが持つ豊富なカスタマイズ機能は、主にこのカスタムディメンションが担っています。