098 重要な分析軸
「セグメント」を正しく理解する
「セグメント」の本来の意味は「分割された部分」のことで、Googleアナリティクスではレポートの数値を特定の条件で絞り込む機能のことを表します。ユーザーやデバイス、参照元、コンバージョンの有無など、さまざまな軸でサイト利用状況のデータを絞り込める非常に強力な機能です。ほとんどのレポートで利用でき、同時に4つまでのセグメントを適用して、すべてのセッションと特定セグメントの比較やセグメント同士の比較を容易に行うことができます。
セグメントを利用すれば、コンバージョン率の高いセグメントを見つけ、そのセグメントを増やす施策を行うことで、サイト全体の成果の向上につなげることができます。標準では22種類のセグメントが用意されており、[システム]グループにまとめられています。それぞれの内容は以下の表の通りです。
システムセグメント(標準で用意されているセグメント)の内容
セグメント名 | 内容 | |
---|---|---|
ユーザー | すべてのユーザー | セグメントを適用しない(標準の設定) |
新規ユーザー | 過去2年以内にサイトを訪問したことがないユーザー | |
リピーター | 過去2年以内にサイトを訪問したことがあるユーザー | |
デバイス | モバイルトラフィック | スマートフォンからの訪問 |
タブレットトラフィック | タブレットからの訪問 | |
モバイルとタブレットのトラフィック | スマートフォンとタブレットからの訪問 | |
タブレットとPCのトラフィック | タブレットとパソコンからの訪問 | |
行動 | シングルセッションユーザー | 1回だけ訪問したユーザー |
マルチセッションユーザー | 2回以上訪問したユーザー | |
直帰セッション | 直帰したセッション | |
直帰以外のセッション | 直帰しなかったセッション | |
サイト内検索を実行したユーザー | サイト内検索機能を利用したユーザー | |
参照元 | 検索トラフィック | 自然検索とリスティング広告の両方からの訪問 |
参照トラフィック | 検索エンジン以外の参照元からの訪問 | |
自然検索トラフィック | 自然検索からの訪問 | |
有料のトラフィック | リスティング広告からの訪問 | |
ノーリファラー | 参照元が記録されていない訪問 | |
コンバージョン | コンバージョンが達成されたセッション | コンバージョンが発生したセッション |
コンバージョンに至ったユーザー | 過去の訪問でコンバージョンが発生したユーザー | |
コンバージョンに至らなかったユーザー | 過去の訪問でコンバージョンが発生していないユーザー | |
トランザクションの発生したセッション | eコマーストラッキングによる購入完了があったユーザー | |
購入したユーザー | 過去の訪問でトランザクションが発生したユーザー |
レポートの上部にある[セグメントを追加]をクリックすることで、セグメントの適用画面に入ります。まずはいくつかのセグメントを適用してみて、レポートの指標がどのように変化するのかを見てみましょう。以下では例として[すべてのページ]レポートに[モバイルトラフィック]セグメントを適用し、スマートフォンユーザーに人気のページを確認します。
行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ
1セグメントの一覧を表示する
2セグメントを適用する
3セグメントを削除する
4セグメントされた指標を確認する
ポイント
- セグメントの軸はユーザーかセッションのいずれかです。
- セグメントの一覧でチェックマークをはずしても、セグメントを削除できます。
- 前のページにある手順3のようにセグメントを[削除]しても、セグメントが適用されなくなるだけで、セグメント自体が削除されるわけではありません。
- よく使うセグメントにはスターを付けましょう。スターを付けたセグメントは[スター付き]グループに表示されます。
- 自分で新しいセグメントを作成することもでき、作成したセグメントは[カスタム]グループに保存されます。
- 一般語としてのセグメントと区別し、この機能を「アドバンスセグメント」と呼ぶことがあります。
- [コンバージョン]メニューの[マルチチャネル]配下、[アトリビューション]配下にあるレポートでは、「コンバージョンセグメント」と呼ばれる特殊なセグメントを利用します。
成果につながるトラフィックを太く育てるために、セグメントは必須の機能です。使いこなせるかどうかで、引き出せる知見が大きく変わります。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。