104 ユーザーの分析
新規ユーザーとリピーターの振る舞いの違いを知る
新規ユーザーとリピーターにおけるサイト利用状況の違いを確認できるのが、[新規とリピーター]レポートです。このレポートでは、新規ユーザーとリピーターごとに、それぞれがサイトにもたらしたセッションやページビュー数、直帰率などを確認できます。
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このレポートで新規ユーザーのコンバージョン率がリピーターと比べて低い場合は、サイトが使いにくい、サイトに対する信頼度が低い、といったマイナス要因が考えられます。初めて訪問した人でも使いやすく、信頼してもらえるコンテンツを制作するなどの工夫をするとともに、再訪を促す仕組みが必要です。
例えば、上記の1つめの画面では、表の右側にeコマースのコンバージョンに関する指標があります。新規ユーザー(New Visitor)のトランザクション数やコンバージョン率は、リピーター(Returning Visitor)の1/4以下に留まっており、何らかの改善が必要です。このときに考えられる具体的な施策には、以下のようなものがあります。
サイトの信頼感を増す
- 実店舗がある場合は、店舗情報の詳細を記載する
- 電話対応が可能な場合は、電話番号と受付時間などを記載する
- 営業年数が長い場合は、その年数をわかりやすく記載する
- 受賞歴がある場合は、目立つように記載する
- 業界団体に属している場合は、その団体名や概要を記載する
サイトへの再訪を促す
- 定期的、または不定期にセールを行うことを告知する
- 欠品商品の再入荷をメールなどで知らせる仕組みを導入する
- 会員向けのアウトレットセールなどを実施し、告知する
- 商品の入れ替えを頻繁に行っていることを告知する
- メールマガジンで有益な情報を配信していることを伝える
ポイント
- 「新規セッション率」は、サイト全体のセッションに占める新規ユーザーのセッションの割合を表す指標です。レポート期間において新規ユーザーが多ければ高く、リピーターが多ければ低くなります。
- 新規セッション率に理想的な値というのは特にありません。サイトに新規訪問がないとビジネスとして成長しませんが、良いコンテンツ、良い商品を提供していればおのずとリピーターも集まるはずで、新規ユーザーとリピーターのどちらが多すぎても健全ではないためです。
- 高額な商品や、1人では購入を決定しにくい商品では、新規ユーザーのコンバージョン率は低くなります。この場合は[マルチチャネル]配下のレポートを参考に、「複数回の訪問を経たあとのコンバージョン」をどう増やすかを設計する必要があります。
新規ユーザーの増減と、新規セッション率の増減を把握すると、サイトの中期的な強化方針が見えてきます。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。