135 コンバージョンの分析
ユーザーのカスタマージャーニーを可視化する
通常、コンバージョンに至ったチャネルとして記録されるのは直近(ラストクリック)のチャネルになりますが、以前にほかのチャネルからの訪問があり、それらがコンバージョンに影響を与えていた可能性もあります。[マルチチャネル]配下にある[コンバージョン経路]レポートでは、ユーザーがコンバージョンを起こすまでに利用したチャネルを把握できます。
コンバージョン > マルチチャネル > コンバージョン経路
ユーザーが商品を知り、関心を持ち、購入に至るまでのプロセスを「カスタマージャーニー」と呼びます。このレポートでは以下の2点を注視して、その全体像を把握しましょう。
コンバージョンが何回のセッションを経てから発生したのか
商品の購入がコンバージョンである場合、書籍やゲームソフト、DVDのように価格が安く、ユーザーが内容や特徴を理解している商品では、セッションの数は少なくなります。逆に高額な商品や、メーカーによって機能差異が大きく比較検討が必要な商品では多くなります。
[コンバージョン経路]レポートの標準の設定では、30日前までさかのぼってコンバージョン経路で利用されたチャネルを明らかにします。この日数は[ルックバックウィンドウ]から変更することで、最短1日〜最長90日まで1日単位で設定できます。
ユーザーがどのチャネルをどの段階で利用したか
リスティング広告やディスプレイ広告は、コンバージョンのラストクリックには関与していなくても、それ以前の訪問でユーザーに商品を認知させる役割を果たしていた可能性があります。コンバージョン経路に関与しているか、どの段階で関与しているかを知ることで、広告を正しく評価できます。
また、特定の目標に絞ってコンバージョン経路を表示したい場合は、[コンバージョン]のプルダウンメニューからチェックマークの状態を変更します。
ポイント
- 標準の設定では、チャネルはMCFチャネルグループの分類に従った名称で表示されます。この分類はカスタムチャネルグループを作成することでカスタマイズできます。
- [マルチチャネル]配下のレポートでは、ワザ098で解説したセグメントは適用できませんが、代わりにワザ150で解説する「コンバージョンセグメント」を適用できます。
コンバージョンに至るまでの複数のセッションが明らかになると、ラストクリックのみを計測するレポートとは異なる世界が見えてきます。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。