137 コンバージョンの分析
コンバージョン発生までの期間と経路の数を把握する
ユーザーが自社商品をまったく知らない状態でサイトを初回訪問し、複数回の訪問を経て商品について学び、最終的に購入や問い合わせをする。こうした一連のユーザー行動を「カスタマージャーニー」と呼びますが、その中で何日が経過し、いくつの経路(チャネル)を利用しているのかについて答えてくれるのが、[所要期間]レポートと[経路の数]レポートです。
コンバージョン > マルチチャネル > 所要期間
これらのレポートの見方ですが、まず[コンバージョン]で集計対象をeコマースのトランザクション、または特定の目標に絞り込んでおきます。最初はトランザクションとすべての目標が選択されていますが、そのままでは分析の意味が薄いためです。また、ユーザーが利用したコンバージョン経路のすべてを集計対象とするか、どこかにGoogle AdWordsのキャンペーンを含んだものだけに絞り込むかを[タイプ]で選択します。
[接点のタイプ]ではインプレッションやクリックなどがすべて選択されていますが、変更する必要はありません。[ルックバックウィンドウ]は90日間まで伸ばし、コンバージョンの発生から仕様上可能な最大の日数分、さかのぼって集計されるようにします。
コンバージョン > マルチチャネル > 経路の数
上記の設定をしたうえで、ディメンション[所要時間(日数)]や[経路の数]を見ていきます。これらの値が大きい項目で多数のコンバージョンが発生しているなら、トランザクションや目標完了までのカスタマージャーニーが長いと判断できます。ユーザーと中長期的な関係を築き、定常的に興味・関心を高めたり、ユーザーの学びを助けたりする活動、いわゆる「ナーチャリング」(見込み客の育成)が重要になってくるでしょう。
ポイント
- コンバージョンの発生からさかのぼる日数は90日間が限界であり、それ以前に初回訪問があったとしても集計対象にはなりません。例えば、以下のようなカスタマージャーニーの[所要時間(日数)]は5(本当は120)、[経路の数]は2(本当は3)と表示されます。
- コンバージョン発生の120日前に自然検索で初回訪問をした
- コンバージョン発生の5日前にディスプレイ広告で2回目の訪問をした
- 2回目の訪問の5日後、メールマガジンからの訪問でコンバージョンした
- [マルチチャネル]配下のレポートでは、ワザ098で解説したセグメントは適用できませんが、代わりにワザ150で解説する「コンバージョンセグメント」を適用できます。
カスタマージャーニーにおける実際の「日数」と「チャネル数」が明らかになるのが、ここで解説した2つのレポートです。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。