138 コンバージョンの分析
マルチチャネル系レポートにおけるチャネルの定義を最適化する
[マルチチャネル]配下のレポートは、標準では「MCFチャネルグループ」に従ってチャネルが分類されます。「MCF」は「Multi Channel Funnels」の略で、ユーザーが複数回の訪問(セッション)を経てコンバージョンするカスタマージャーニーにおいて、どのようなチャネルを、どのような順序で利用したかを分類するために利用します。
この「複数回の訪問を経てコンバージョン」の分析をより精緻に行うため、チャネルの定義をカスタマイズし、自社サイトに合致したチャネルグループを作成することもできます。チャネルグループはゼロから作成することもできますが、もともとあるMCFチャネルグループをコピーし、そこに修正を加えるほうが簡単です。[コンバージョン経路]レポートなどから、以下のように操作します。
コンバージョン > マルチチャネル > コンバージョン経路
上記の画面では参照元サイトが「book.impress.co.jp」だった場合、新しいチャネル「ブランドサイト」に分類するように定義しています。このチャネルは7番目にある「参照元サイト」よりも上に配置し、先に適用されるようにすることで、通常の参照元サイトとは分離して捕捉することが可能になります。
ほかにも、utm_medium、utm_source、utm_campaignといったカスタムキャンペーンのパラメータの値を条件に、以下のようなチャネルを定義するのもいいでしょう。
チャネル「リマーケティング」
定義
- [メディア]が「cpc」または「ppc」に一致、かつ[キャンペーン]の先頭が「R_」に一致。
説明
- リスティング広告のリマーケティング施策ではutm_campaignパラメータを「R_」で始まるように設定しておき、それをチャネル「リマーケティング」として定義する。
チャネル「メールマガジン○年○月号」
定義
- [メディア]が「email」に一致、かつ[参照元]がメールマガジンの発行日に一致。
説明
- メールマガジンのリンク先URLに付与するutm_sourceパラメータに発行日を設定し、その日付を含む参照元を「メールマガジン○年○月号」として定義する。
チャネル「ソーシャル広告」
定義
- [メディア]が「social_ad」に一致、かつ[参照元]が「(facebook¦twitter¦t\.co)」に正規表現一致、かつ[キャンペーン]が「(not set)」に完全一致しない。
説明
- SNS広告のリンク先URLに付与するutm_sourceを「facebook」や「twitter」、utm_mediumを「social_ad」にし、utm_campaignには何かしらの文字列をセットしておく。
ポイント
- MCFチャネルグループは[集客]メニューのレポートに適用されるDefault Channel Grouping(デフォルトチャネルグループ)と混同しやすいので注意が必要です。両者の違いはワザ093で解説しています。
ユーザーがコンバージョンするまでに利用するであろう「自社独自のチャネル」を追加できるのが、新たなチャネルを定義するメリットです。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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