149 セグメントの活用
仮説を検証するための新しいセグメントを作成する
レポートに適用できるセグメント(アドバンスセグメント)では、[システム]カテゴリに最初から用意されているセグメントに加えて、自分で対象や条件を設定した「カスタムセグメント」を作成することもできます。以下の手順では、例として「35~44歳の男性、Windowsユーザー」のセグメントを作成します。[すべてのページ]レポートから行っていますが、セグメントが表示されるレポートならどれでもかまいません。
行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ
1新しいセグメントを作成する
2セグメントの名前や条件を設定する
3複数の条件を設定してセグメントを保存する
4セグメントが作成された
カスタムセグメントで設定できる項目は以下の通りです。それぞれの項目から複数の条件を組み合わせて、レポートの対象とするトラフィックを絞り込むことができます。
セグメントの設定項目
項目 | 内容 |
---|---|
ユーザー属性 | 年齢、性別、言語、アフィニティカテゴリなど、Googleの広告ネットワークを通じて類推されたユーザー属性に基づくセグメント。 |
テクノロジー | OSやブラウザー、画面の解像度、デバイスカテゴリ、モバイル端末モデルなど、ユーザーの利用環境に基づくセグメント。 |
行動 | 期間中にユーザーがもたらしたセッション数、セッションの間隔、トランザクション数など、ユーザーの行動に基づくセグメント。 |
最初のセッションの日付 | 初回訪問日に基づくセグメント。最大31日の期間に初回訪問したユーザーをセグメントとして作成できる。 |
トラフィック | キャンペーン、メディア、参照元、キーワードといった訪問時の属性に基づくセグメント。 |
条件 | 用意されたセグメント対象項目によってユーザーが自由に作成できるセグメント。対象はセッションとユーザーのいずれかから選択できる。 |
シーケンス | ユーザーが行った行動の順序に基づくセグメント。 |
セグメントの設定項目のうち、[条件]ではセグメントの対象として[セッション]と[ユーザー]を選択できますが、両者の違いはやや混乱しがちです。以下のような3人のユーザーから計7回のセッションがあった場合で考えてみましょう。
ユーザーA
- セッション1:メールマガジンXから訪問
- セッション2:自然検索トラフィック訪問
- セッション3:リスティング広告から訪問
- セッション4:メールマガジンYから訪問し、コンバージョン
ユーザーB
- セッション5:メールマガジンXから訪問
- セッション6:ダイレクトトラフィックで訪問
ユーザーC
- セッション7:メールマガジンXから訪問し、コンバージョン
この場合、条件を「メールマガジンXから訪問」、対象を[セッション]にしてセグメントを作成すると、セッション1、5、7が抽出され、コンバージョン率は1÷3=33.3%になります。一方、対象を[ユーザー]にすると、メールマガジンXからの訪問を含むユーザーのセッション、つまり全セッションが抽出され、コンバージョン率は2÷7=28.6%になります。
ポイント
- カスタムセグメントは、例えば「都市部からアクセスする若い女性のサイト利用を増やしたいが、そうしたユーザーはどのような方法でサイトを訪問しているのか?」「特集ページの閲覧直後は、そのページで紹介している商品を閲覧したセッションのコンバージョン率が高くなるのではないか?」といった分析に適しています。
- その他の活用例は、第8章「成果の改善」、第9章「高度な分析」でも解説しています。
セグメントは目的を持ったデータ抽出や、仮説の検証に役立つ強力な機能です。複数のセグメントの比較も有効です。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。