170 データスタジオとの連携

データスタジオの優れた表現力で情報共有を促進する

Googleデータスタジオ(現:Googleデータポータル)はデータのビジュアライズに特化した無料のツールで、企業での情報共有を主目的に、多様なグラフを作成できる機能が備わっています。ここではGoogleデータスタジオの基本を理解するため、Googleアナリティクスに接続し、日付×セッション数の折れ線グラフを作成する手順を解説します。線は「参照元」で分割し、チャネルが「Organic Search」に一致するフィルタを適用します。大まかな流れは以下のとおりです。

①データソースへの接続

グラフの基となるデータを取得するため、データが蓄積されているデータベースやツールに接続します。Googleアナリティクスのほか、Google AdWords、Google BigQuery、YouTubeアナリティクス、Googleスプレッドシート、その他のデータベースサーバー(MySQLやPostgreSQL)などに対応しています。

②グラフの選択と領域指定

下の表にある11種類のグラフを作成できます。いずれかを選択し、レポートのページのどの領域に描画するかを指定しましょう。1つのページに複数のグラフを描画できます。

③ディメンションと指標の選択

グラフに対して、「○○ごとの」を意味するディメンションと「○○数」「○○率」となる指標を組み合わせていきます。Googleアナリティクスのカスタムレポートと考え方は同じです。

④フィルタの適用

必要であれば、見たいディメンションの項目や指標だけに絞り込むフィルタを適用します。作成したフィルタはほかのグラフにも適用できるので、わかりやすい名前を付けておきます。

⑤見た目の調整

グラフの色、ラベル(グラフに表示する値)の有無、凡例の位置などを調整して完成です。

Googleデータスタジオで利用できるグラフの種類

グラフ名特徴
期間横軸に日付・時間のディメンションを設定した折れ線グラフ。時系列の推移を表現する。
棒グラフ一方の軸にディメンション、もう一方の軸に指標を設定し、棒の長さで比較する。
複合グラフ折れ線と棒によるグラフ。ディメンションが1つの場合、最大5つの指標を設定できる。
円グラフ単一のディメンションと指標の組み合わせで、項目ごとの構成比を表現する。
行と列にデータを配置する。集計行の表示、1ページあたりの行数などを設定可能。
地図地図上にデータを配置する。[エリアをズーム]から日本のみの表示が可能。
スコアカード単一の指標を見やすく表現。ユーザー数や売上額など、主要指標の明示に適している。
散布図縦横軸に配置した指標の関係性を見る。サイズも表現するとバブルチャートになる。
ブレットグラフしきい値を設定した棒グラフ。目標値に対する達成状況を表現するときに使う。
面グラフ折れ線グラフの変形。線の下の色分けされた部分でデータ量を表現する。
ピボットテーブルディメンションを縦横2つ、指標を1つ使ったクロス集計表。
1新しいデータソースに接続する

Googleデータスタジオ

データスタジオの優れた表現力で情報共有を促進する - できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

2Googleアナリティクスに接続する

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3ディメンションと指標を確認する

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4[期間]のグラフを描画する

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5内訳ディメンションを追加する

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6フィルタを設定する

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7レポートの仕上げをする

データスタジオの優れた表現力で情報共有を促進する - できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

Googleアナリティクスのレポートの多くは簡単なグラフと表でしか表現されず、ダッシュボードとしての利用が想定されているマイレポートも、表現力には限界がありました。今後はGoogleアナリティクスのデータをデータスタジオでビジュアライズし、社内での情報共有に活用していく、という使い方が広まっていくと思います。

ポイント

  • 現状、企業の経営層や管理層がGoogleアナリティクスにログインしてサイトパフォーマンスを確認する、といった使い方はあまりされていないと思いますが、データスタジオの登場により、経営層や管理層がデータスタジオのレポートを直接確認する機会が増えていくと考えられます。
  • 従って、Web担当者はサイトパフォーマンスを端的に表すレポートやダッシュボードをいかにして構築するかが重要な業務になってきます。Googleアナリティクスだけではなく、データスタジオやTableauなどのビジュアライズツールについても学習を深めるべきです。

データスタジオは、Googleアナリティクスのカスタムレポートの進化版と考えることもできます。