181 ユーザーと権限の管理
部署ごとのミッションに応じてビューに適当な権限を付与する
Googleアナリティクスが1つのプロパティ配下に複数のビューを作成できる仕様になっているのは、ユーザー間で目標やフィルタが異なる場合に、ビューによって切り分けができるようにするためです。社内において1つのサイトに関連する部署が1つだけとは限らず、複数の部署が関連しているケースもあるはずです。この仕様を利用すると、以下のように社内の部署のミッションにあわせたビューの設計が可能になり、各部署が必要とする情報にだけアクセスできるような体制を築けます。
顧客満足度の向上をミッションとするCRM担当部署
個別の会員IDを取得しているビューに対する権限を付与し、会員1人あたりの売り上げを目標とする。それ以外の部署では、会員/非会員の区別だけがわかるビューを利用する。
モバイルでのユーザビリティ向上を社内で横断的に実施する部署
[デバイスカテゴリ]が[モバイル]に一致するフィルタをビューに適用し、モバイルユーザーだけに絞った分析が行えるようにする。
目標やビューに対するフィルタを設定できるのは、そのビューに対する編集権限を持つユーザーに限られますが、編集権限ではビューそのものを削除することも可能です。事故が起こらないよう、各部署でGoogleアナリティクスの適切なスキルや知識を持つユーザーだけに、編集権限を付与する運用が望ましいでしょう。
管理 > ユーザー管理(ビュー)
ポイント
- セキュリティの観点から、個別の会員IDを取得しているビューは、その情報がないと業務を遂行できない部署だけに権限を付与するのが適当です。
部署のミッションが違えば、設定すべき目標や見るべきデータも異なってきます。各部署が使いやすい環境を整えましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。