187 成果改善の考え方
コーポレートサイトにおけるKGIの設定方法を考える
コーポレートサイトのWeb担当者の方からは、「何をもってサイトが成功しているのか、社内に対して説明する指標が見つからない」という悩みを聞くことがあります。社内に対してだけでなく、自分自身が得心することも難しく、困っている人が多いようです。そこで、コーポレートサイトの成功を測る指標の例として、以下を提示します。
ECサイトへのリンクのクリック数
自社が運営するECサイトが別にあるなら、そのサイトにどれだけユーザーを誘導したか、つまり「収益が上がるサイトへの貢献度」を可視化します。Amazonや楽天など、自社商品を販売している外部ECサイトへのリンクを対象にしてもいいでしょう。
企業としてもっとも伝えたいコンテンツがあるページのページビュー数
特に力を入れている新商品、新しい経営陣、社会貢献活動、リコールのお知らせと商品回収の協力依頼など、タイミングによって伝えたいコンテンツがあるはずです。それらのコンテンツの閲覧数を目標として置く考え方です。
主要な商品やサービスを紹介しているページの熟読数
コーポレートサイトに主力商品のページがある場合、一定時間以上の平均ページ滞在時間を熟読と定義する、または熟読をイベントとして捕捉したイベント数を目標にします。
総セッション時間
コーポレートサイトの目的の1つは、商品を知りたいユーザー、会社沿革や所在地を知りたいユーザー、最新のニュースを知りたいユーザーなど、多種多様なニーズを持った人に企業情報を届けることにあります。そこで、すべてのセッション時間の合計を「ユーザーと接触することができた時間」とみなし、KGIとする考え方があります。
これらは、すべてのコーポレートサイトには当てはまらないかもしれません。しかし、「コーポレートサイトが存在する目的を考え、その目的が果たされている度合いを測定する」という考えに立脚すれば、どのようなコーポレートサイトでも上記のようなKGIを設定できるはずです。
ポイント
- 企業が行う活動には必ず目的があります。Webサイト開設の目的さえ明確になれば、その目的の達成を示すアクションが果たされた度合いがKGI、KGIが発生するプロセスを分解して取り出した構成要素がKPIとなりえます。
コーポレートサイトにおけるKGIは、ビジネス上の収益ではなく、「サイトの目的が果たされている度合い」で考えるようにします。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。