201 サイト改修の施策
サイトに興味を持ってくれたユーザーが求める情報を知る
直帰したセッションからは通常コンバージョンが発生しないことから、Web担当者が直帰率を低減させる施策を検討・実施するのは妥当です。一方、直帰したセッションはもともとサイトに興味がないユーザーとして除外し、直帰しなかったセッションをより重視する、という方向性もあります。ここで、直帰ユーザーと非直帰ユーザーを実店舗で例えてみましょう。
- 直帰ユーザー: 店舗の外で立ち止まって中を覗いたが、入店しなかったユーザー
- 非直帰ユーザー: 入店してくれたユーザー
このように考えると、「店舗の外に立って入店を呼び込む施策」が直帰率の低減、「入店してくれた人を手厚く応接し、買い物をしてもらう施策」がサイト最適化、と表現できます。どちらも大事な施策であり、直帰ユーザーだけにこだわるのは得策ではないことがわかるはずです。
非直帰ユーザーのコンバージョン率を高めるには、[直帰以外のセッション]のセグメントを適用したうえで、[すべてのページ]レポートで「ページの価値」を確認します。ページの価値が高いページは、非直帰ユーザーをコンバージョンに導く力が強いページと考えられるため、それらのページのサイト内での露出を高める、メールマガジンから誘導するといった施策が考えられます。
ポイント
- [直帰以外のセッション]は、セグメントの[条件]で直帰数が0と等しいセッションです。このセグメントをコピーすれば、複数の条件を指定したカスタムセグメントを作成できます。
- ページ以外にも、非直帰ユーザーの参照元、メディア、検索キーワード、ランディングページを確認するのもサイト改善の参考になります。
直帰率も重要ですが、ときには、あえて直帰ユーザーを切り捨てて、非直帰ユーザーのためのサイト改善やコンテンツ拡充に目を向けましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。