207 サイト改修の施策
会員と非会員でセッションの価値を比較する
会員制のサイトを運営している場合にほぼ必須の情報となるのが、会員と非会員を分けてサイト利用状況を捕捉することです。あらかじめ会員(ログインユーザー)を区別するカスタムディメンションを作成しておき(ワザ061を参照)、以下のようなカスタムレポートを作成します。
カスタムレポートの設定内容
要素名 | 内容 |
---|---|
種類 | エクスプローラ |
ディメンション | 会員非会員 ※カスタムディメンションとして作成 |
指標 | セッション |
直帰率 | |
平均セッション時間 | |
トランザクション数 | |
eコマースのコンバージョン率 | |
収益 |
すると、以下の画面のように会員と非会員で指標を比較できるようになります。セッションと収益から1セッションあたりの価値を比較し、会員のセッションが非会員のセッションよりもどれほど価値があるのかを確認しましょう。この例では、会員のコンバージョン率は13.83%、非会員は0.64%であり、十分な差があることが理解できます。
このような場合、成果の向上には会員を増やすことが合理的ですが、そのためには、会員がサイト内のどのような商品やコンテンツに魅力を感じているのかを知る必要があります。高額でも高品質な商品を求めているのに、低価格にこだわった商品の仕入れを強化していては、会員がサイトを訪問する頻度は下がってしまいます。以下のように会員だけのカスタムセグメントを作成し、サイト利用状況をしっかりと把握しておく必要があります。
設定内容
ユーザー 含める
会員非会員 完全一致 会員
また、会員を増やす施策の効果測定をするためには、会員登録をGoogleアナリティクスの目標として設定し、コンバージョン率を正しく捕捉する必要があります。このとき、会員を除外しないと正しいコンバージョン率が測定できず、会員がアクティブにサイトを利用するほど、会員登録のコンバージョン率が下がるという、解析に適さない因果関係が発生します。上記とは逆に、会員を除外したカスタムセグメントを作成してから効果測定を行いましょう。
会員制のサイトでは、会員のサイト利用状況やよく購入する商品、好んで閲覧するページを把握することが、成果の改善につながります。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。