226 データの深掘り
ステップメールをマルチチャネルの視点で改善する
商品サンプルの無料提供、ホワイトペーパーのフリーダウンロードサービスなどで集客し、それらのユーザーに「ステップメール」を送信してコンバージョンを促す施策があります。ステップメールとは、あらかじめ決めておいた内容、順序、タイミングでユーザーに配信する数通のメールを指し、ユーザーが無料サービスに登録したあと、以下のようなメールを送信するのが一般的です。提供している商品やサービス(ここでは「本サービス」とします)の価値が、ある程度使い込まないとわからないような場合に有効な施策と言えます。
- 1通目:登録のお礼と使い方のチュートリアル
- 2通目:本サービスのほかのユーザーにおける活用事例
- 3通目:本サービスの料金プランとサポートの案内
- 4通目:本サービスに登録するメリットと期間限定キャンペーンなどの案内
ステップメールがうまくいけば、「ステップメールからの複数回の訪問のあとにコンバージョンが発生する」ことになるため、[マルチチャネル]配下のレポートでの分析が適しています。そのためには、ステップメールの各メールにカスタムキャンペーンのパラメータを付与し、そのパラメータに対応するカスタムチャネルグループを作成しておく必要があります。以下を参考に設定してください。
ステップメールのリンク先URLにパラメータを付与する
ステップメールの各メールに記載するリンク先URLに、カスタムキャンペーンのパラメータを付与します。無料サービスの登録時に1通目、その2日後に2通目、さらに2日後に3通目と、合計3通のメールを送信すると仮定すると、以下のようになります。
パラメータ | 1通目の値 | 2通目の値 | 3通目の値 |
---|---|---|---|
utm_campaign | step1 | step2 | step3 |
utm_medium | |||
utm_source | day_1 | day_3 | day_5 |
カスタムチャネルグループを作成する
MCFチャネルグループをコピーし、以下のように新しいチャネルを作成します。ルール1とルール2はAND条件とし、2〜3通目のチャネルも同様に作成しましょう。
- 名前: ステップメール1通目
- ルール1: メディア 完全一致 email
- ルール2: キャンペーン 完全一致 step1
あわせて、本サービスへの登録を目標として設定しておきます。[コンバージョン経路]レポートなどでこの目標をコンバージョンとして選択すると、以下のようなことがわかります。
- ステップメールごとのパフォーマンス
- ステップメール経由でのコンバージョン数
- すべてのステップメールを利用したユーザーのコンバージョン数
ステップメールの改善は、このようなデータを基に仮説を立てることから始まります。メールのタイトルや内容(特に本文の最上部)、期間限定キャンペーンなどのオファー、配信間隔などについて何が効いたのかを考えつつ、継続的にテストをして最適なパターンを発見しましょう。
ポイント
- [コンバージョン経路]レポートの対象となるコンバージョンは、画面左上にある[コンバージョン]からトランザクションや特定の目標に絞り込めます。
ステップメールのように複数のキャンペーンからなる施策の効果測定には、カスタムチャネルグループとマルチチャネル系レポートが有効です。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。