252 レポートの疑問
リスティング広告の管理画面とコンバージョン数が違う原因を知る
AdWords(現:Google広告)などの管理画面で見るリスティング広告のコンバージョン数と、Googleアナリティクスで確認したコンバージョン数が大きく異なる場合、原因には以下の3つが考えられます。
コンバージョンを記録する日による差異
AdWordsなどの管理画面では「広告がクリックされた日」にコンバージョンが記録されるのに対し、Googleアナリティクスでは「コンバージョンが発生した日」に記録されます。例えば、以下のシナリオを考えてみましょう。
- 7月1日:リスティング広告をクリックしたが、コンバージョンしなかった
- 7月2日:訪問なし
- 7月3日:ダイレクトトラフィックでサイトを訪問し、コンバージョンした
このとき、AdWordsなどの管理画面では7月1日、Googleアナリティクスでは7月3日にコンバージョンが記録されています。よって、レポート期間を7月3日に絞ると、コンバージョン数は前者では「0」、後者では「1」となり、差異が生じます。
リスティング広告と認識する基準の違いによる差異
AdWordsなどの管理画面では、ユーザーが広告をクリックしたあと、どのような経路でサイトを再訪問をしても、クリックの有効期間(標準では30日間)にコンバージョンすれば広告のものとして記録されます。一方、Googleアナリティクスでは原則としてラストクリックでの評価となるため、広告をクリックした訪問ではコンバージョンせず、その後、自然検索から訪問してコンバージョンした場合、そのコンバージョンは自然検索に紐付き、差異が生じます。
広告サービスをまたぐことによる差異
異なる広告サービスでは重複して計測されるコンバージョンが、Googleアナリティクスでは重複せず、それが差異として映ることがあります。例えば、以下のシナリオが想定できます。
- AdWordsのリスティング広告をクリックしたが、コンバージョンしなかった
- Facebook広告をクリックしたが、コンバージョンしなかった
- Yahoo!プロモーション広告をクリックし、コンバージョンした
このユーザー行動では、AdWordsのリスティング広告にも、Facebook広告にも、Yahoo!プロモーション広告にもコンバージョンが記録されます。一方、GoogleアナリティクスではYahoo!プロモーション広告にだけ、コンバージョンが記録されます。
広告運用とWeb解析で担当者が異なっている場合、この差異が問題になることがあるかもしれません。共通認識を持っておきましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。