005 サイト改善の考え方
マクロで要改善点を見つけ、ミクロで改善施策を引き出す
Googleアナリティクスでは、非常に細かいレベルまでセグメントが行えます。しかし、いきなり細かいレベルのセグメントを見て、その改善にこだわるのはおすすめできません。小さなセグメントではサイト全体に対する改善のインパクトも小さくなり、成果に見合わない手間や時間、費用をかけることになりかねないからです。
まず、大きなセグメントから改善すべき点を特定し、そのための施策を見つけるヒントとして、小さなセグメントに目を向けてみましょう。
大きなセグメントの例
流入元 | セッション数 | コンバージョン率 |
---|---|---|
自然検索 | 500 | 3.0% |
リスティング広告 | 6,000 | 1.5% |
ダイレクトトラフィック | 1,500 | 2.0% |
参照トラフィック | 2,000 | 2.0% |
合計(サイト全体) | 10,000 | 1.8% |
小さなセグメントの例
リスティング広告のキーワード分類 | インプレッションシェア損失率 | セッション数 | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
---|---|---|---|---|
指名系キーワード(ブランド名) | 0% | 400 | 15 | 3.8% |
指名系キーワード(商品名) | 10% | 600 | 25 | 4.2% |
商品アイテム系キーワード | 20% | 3,500 | 15 | 0.4% |
悩み系キーワード | 40% | 1,500 | 35 | 2.3% |
合計(リスティング広告全体) | - | 6,000 | 90 | 1.5% |
ポイント
- 表の大きなセグメントの例は、ワザ004の図と同じデータを記載しています。小さなセグメントの例は、リスティング広告をさらに細かいレベルまでセグメントしたデータです。
- 小さなセグメントでは、悩み系キーワードのコンバージョン率が高い一方で、インプレッションシェア損失率(広告が表示される可能性があった検索に対して、実際には広告が表示されなかった割合)が40%と比較的高くなっています。よって、リスティング広告のパフォーマンスを改善するには、「悩み系キーワードにおける広告文の修正、リンク先ページの修正、上限CPCの設定などを実施し、インプレッションシェア損失率を低減する」という施策が有効であると考えられます。
- このように、大きなセグメントのパフォーマンスを改善するには、それをそのまま見るのではなく、さらに小さく分割したセグメントで分析し、施策を立案することが重要です。
要改善点を見つけるには大きなセグメント、改善施策を引き出すには小さなセグメント、と覚えましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。